2020年7月19日日曜日

天塩川温泉駅


天塩川温泉駅は、その名の通り音威子府村の天塩川温泉に最寄りの駅である。ここから徒歩でアクセスできる温泉は宿泊や食事もできる施設で、ここを足掛かりに宗谷本線の旅をすることが出来る。

天塩川温泉駅は音威子府村の中心から8kmほど南に位置している。お隣の咲来駅や豊清水駅から歩いてこられる距離にあるので、自力移動を含めればこれらの駅と組み合わせて訪問できる。

お隣の豊清水駅で下車した後、自力で天塩川温泉までやってきた。この日はとても暑く、また道程には長い上り坂があったことも手伝って、汗だくになりながらのアプローチとなった。到達した天塩川温泉駅の位置は国道から少し離れ、とても静かで大変雰囲気の良い駅であった。

天塩川温泉駅のホームは個人的に大好きな板張り形式。周囲は畑作地帯で大変閑静である。このホームに立っていると、とても落ち着く。

豊清水側には森が広がっている。北海道らしく白樺の木々が並んでいる。

右側にあるのが駅の待合室。板張りホームの駅にしては立派な建屋である。

待合室の中へ入る。板張りの床の上には8個のプラベンチがあるほか、トイレも備えられている。この存在はとても有難く、北海道で冬季に駅巡りをしていると、特にそのありがたみを感じる。

ベンチと逆側には一段のスペースがある。ここに座ることも荷物を置くこともできそうだ。このようなスペースは天塩川温泉駅でしか見たことがない。

ここには暖房まである。板張りホーム駅とは思えない充実した設備。冬季に来ても快適に過ごせそうだ。

駅には周辺のお散歩マップが掲出してあった。近くには立派なイチイの木があるようだ。この日は温泉を第一に予定していたので、次回来るときにはイチイの木や水芭蕉を見てみたいと思う。

駅名にもなっている天塩川温泉は、駅から歩いて10分強。鉄旅愛好者には実に利用しやすい温泉である。宿泊もできるようで、以前糠南駅でお会いした鉄旅の方はここに宿泊すると言っていた。この日はとにかく暑く、この温泉に入るのが実に楽しみであった。露天風呂に浸かり、さっぱりとして再び駅へと向かった。

天塩川温泉駅へ戻ってしばらくすると、乗車予定の下り列車がやってきた。

静々とホームへと入ってきた普通列車。下車客はおらず、自分一人を拾って列車は出発した。

乗車した列車はガラガラであった。車両の窓があちこちで開いていて、写真を見るとこの日の暑さを思い出させてくれる。

鉄旅の先輩であるJ氏から提供してもらったのは冬期の写真。J氏は宗谷本線を利用しながら温泉で2回宿泊している。

早朝の静粛な雰囲気。

J氏が乗車する上り一番列車がやってきた。キハ40が近づいてくる音が聞こえてくるようだ。雪のサラサラ感が実に北海道らしく、冬も行くべしと言わんばかりの写真である。


到着した旭川行き普通列車。車内は暖房がガンガンに効いていたに違いない。



J氏撮影の写真(Picture from J氏)の使用、転載はお断りします。

2020年5月4日月曜日

豊清水駅

北海道美深町にある宗谷本線 豊清水(とよしみず)駅は、周囲に人家の無い一級の秘境駅である。駅は緑に囲まれ、大変に落ちつける環境にある。

2021年3月13日を以て廃止されました。  



平行する国道は少し離れていて、駅の前には細い道が一本あるのみ。


安牛駅から乗車した普通列車は間もなく豊清水駅へ到着する。広い構内の先に砂利の島式ホームが見えてきた。JR北海道の統計によれば利用者は僅少のようだが、交換設備があるため駅構内の規模は大きい。美深駅と音威子府駅のおおよそ中間に位置することから交換設備があるのだろう。


下車したのは自分一人のみ。乗車客はいなかった。

列車の行き違いはなく、私を降ろしたキハ54 512は恩根内へ向けてゆっくりと発車していった。

駅舎側には過去の貨物ホームの名残と思われる側線がある。保線機械車両の留置に使われているのだろうか。

年季の入った駅名板。

音威子府方の構内を眺める。線路の先にあるのは斜面に生い茂る木々のみ。これほど人工物の少ない駅は中々お目にかかれない。

こちらが豊清水駅舎。木造三角屋根の形態は宗谷本線でここのみではなかろうか。待合室は向かって右側の小さな部屋で、左側の大きな部屋は保線関係の用務室となっている。

駅建屋の風情に特筆すべきものは感じていなかったが、この角度から見ると三角屋根に煙突、そして落ち着いた色合いが構内風景とマッチしていて中々良い。

こちらがホーム側からの待合室への入り口。雪切スペースがあるあたり、雪国を感じさせる。


待合室は狭いながらもトイレが備えられている。木製ベンチの向かい側には駅ノートがあった。私もここに下車の記録を一筆残した。


木製ベンチの脇には、通学バスの時刻表が貼ってある。手書きで温かみのある時刻表である。紙の質感から随分前から張ってあるようだ。


出入口付近には木製トンボが掛けられていた。雪かきかホームの地慣らしに使われているのだろう。


出入口側からホーム入口を眺める。シンプルで近代的に見える待合室だが、木製のベンチや木枠の窓があるあたり、比較的古い建物かもしれない。


この駅名票には魅力的な駅がたくさん並んでいる。この中のいくつかは豊清水駅を含めて2021年3月で廃止との報道が出ている。


駅前から振り返った豊清水駅の様子。駅舎と信号関係の建物のみが存在する。


駅前の道路に出ると、骨組みが目立つ建物の残骸がある。

鉄骨は錆び、ぐにゃぐにゃに折れ曲がってしまっている。雪の重みでこのようになってしまったのだろうか。

こちらは使われていないだろう吊り滑車。ポツンと立っている。

駅前の道路から美深方面を眺める。一本道が草原の中を走っていて清々しい景色である。

こちらは、音威子府方面の景色。倒壊した建物が2つほどある。周りは綺麗な草原となっているので、このあたりの土地は牧草地として使われているかもしれない。
豊清水駅を後にし、隣の天塩川温泉駅へ自力で向かった。暑かったこの日は天塩川温泉で汗を流すのが楽しみであった。

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こちらは冬季の豊清水駅の様子。
このときは、豊清水での下車はできず、列車交換時に下り列車の車内から駅を観察できたのみであった。

こちらを待っていた上り普通列車が先に発車していく。車内は空いているようであった。

上り列車が切り替えポイントを通って美深方面へ走り去っていく。右側の雪の壁は側線のポイントのところで切れていて、側線も除雪されていることが見てとれる。


2020年4月26日日曜日

上幌延駅

北海道幌延町は自治体別で秘境駅数No.1という、駅巡り愛好者の聖地のようなところである。物置待合室で有名な糠南駅、日本最北の板張りホームの南幌延駅、木造駅舎のある雄信内駅、ボロボロの車掌車待合室のある安牛駅は幌延町にある。夕日の美しいパンケ沼へアクセスできる下沼駅もその一つ。残るは上幌延駅と問寒別駅である。上記5駅と比較すると、上幌延駅は個性の点で弱いかもしれない。しかし、車掌車待合室と、静かな環境という点では十二分の良さがある。

2021年3月13日を以て廃止されました。  


幌延駅から一駅名寄側に上幌延駅がある。幌延駅や南幌延駅から徒歩でのアクセス可能だ。上下列車の時間を考えれば約5km離れた安牛駅へも間も歩いて移動できる。


雄信内駅から乗車した稚内行普通列車は間もなく上幌延駅へ到着する。駅の前後で線路が湾曲しているのは、かつての交換設備の名残である。


定刻通りに上幌延駅へ到着。列車から下車したのは私のみで、他の乗降客はいなかった。


30秒ほどの停車後、カタコトと音を立てて幌延駅へと走り去っていく。


雄信内側を見ると人工物らしいものはほとんどない、広がりのある風景を得られる。


こちらは幌延側。写真右手の土手は過去のホーム後だろうか。その奥側には牧草地が広がっている。


傾いた駅名票にホーローの縦書き駅名板。

こちらが上幌延駅の車掌車待合室。待合室の入り口には盛り砂利と舗装がしてあり、利用者への配慮がされている。

元車掌車の窓枠にはリベットが打たれている。古い車掌車なのだろうが、一部の塗装が剥がれて錆がある他は、比較的良い状態のようだ。

待合室には長いす1台が置いてあり、そこには駅ノートが置かれていた。私も記念に一筆書き残した。将来の再訪時に自分の書き込みを見つけ、懐かしい思いに浸ろうと考えていたのだが、上幌延駅は2021年3月で廃止の見込となり、再訪は適わなそうである。残念。

駅前には民家が1件あるのみである。2車線道路が交差していることもあり、秘境感はないのだが車の往来は限られていて、比較的静かな環境である。

次の列車までしばらく時間があるので、この駅から自力移動で安牛駅まで移動する。最後に上幌延駅を振り返って写真に収めた。


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