2021年10月20日水曜日

石谷駅

[読み] いしや
[路線] JR北海道 函館本線
[位置] 北海道茅部郡森町本茅部町
[隣駅]   森(6.6km)石谷(3.9km)本石倉→(2.1km)石倉
kmは営業キロ

※2022年3月12日を以て廃止されました。

この駅を最初に意識したのは、長万部行き普通列車で長時間停車したときであった。古めかしくて比較的大きな木造駅舎が魅力的で、いずれ訪問しようと誓ったのだった。しかし中々訪問のタイミングを見つけられないまま時間が経ち、そして2021年9月には廃止協議という報道が流れてしまった。何としてでも今の内に訪問しようと、廃止協議中の他4駅も行程に組み込み、1泊2日の道南弾丸旅行を敢行した。

石谷駅は内浦湾を目の前にしたロケーションで、道路を渡れば駒ヶ岳、天気が良ければ内浦湾越しに羊蹄山を遠望することが出来る。

スネ夫が「思い立ったらすぐに実行するのが、うちの家族なんだ」と言って、秋の週末に北海道へラーメンを食べに行った自慢エピソードがある。自慢はさておき、骨川一家のこの行動力は見習うべきところで、駅が廃止される前に即座に行動すべきである。というわけで土曜日の朝、大宮駅からはやぶさ7号で新函館北斗へと向かう。

新函館北斗から特急北斗へ乗換え、森駅を目指す。この日は8両編成と堂々たる編成であった。緊急事態宣言が解除された影響なのか盛況で、後ろに並ぶ人達の会話から「指定席がとれなかった」との声が耳に入る。

大沼駅手前では小沼越しに駒ヶ岳が秀麗な姿を見せてくれた。本日は晴天、駅巡りにはもってこいの天気である。

森駅で下車。「いかめし」を買い、そしてタクシーで石谷駅へ向かう。2日間という限られた行程上、ここはタクシーを使わざるを得ない。自分はメーターの数字が気になって、落ち着いて利用できないタチの人間であるが、予約時に「2,500円行かないくらい」とご教示頂いていたので、幾分気楽である。実際のところ料金は2,300円+α、しかも10分もかからずに到達できた。初めから心の準備が出来ているか否かで随分と違うものだ。内浦湾にたくさん見えるブイはホタテの養殖のためだそうだ。コロナで景気は良くないらしい。緊急事態宣言が解除されたことにより、上向きになることを祈りたい。

そして到着した石谷駅。期待に違わず素晴らしい木造駅舎である。このような立派な木造駅舎が無くなってしまうとなれば何とも寂しい。

駅に向かって右隣にある小さな小屋はトイレ。

内浦湾越しに見えているのは、名峰蝦夷富士こと羊蹄山らしい。天気に恵まれ嬉しい限りだ。

森町の市街地を向けば、駒ヶ岳がくっきりと見えた。この日は駒ヶ岳登山の人も多かったことだろう。

ひっきりなしに車が行き交う国道5号線を渡り、駅舎へと入る。プラベンチが4つと荷物台がある。床は綺麗に掃除され、清潔に保たれていた。

反対側には木製の長椅子がある。窓の上側にある煙突はかつてこの待合室の中をつないでいたのだろう。

駅には荷受け台、窓口の台が残っていた。古めかしい、台の支えが歴史を感じさせてくれる。

運賃表は函館~長万部の主な駅を示していた。

さすが本線だけあって、列車の本数は結構ある。自分は13:51発の長万部行きに乗車する予定である。

ホーム側の軒下は木板と腕木に支えられていて如何にも木造駅舎といった風情であった。

ホーム側から駅舎を見ると、親しみを覚える書体で「いしや」と駅名票があった。「し」に点が1個だけついているのは何かのアクセントなのだろうか。

線路は駅舎よりも少し高い所を走っており、階段を5段ほど上がるとホームとなる。

ホームは2面3線で中線も使われている形跡があった。特急や貨物待避の普通列車が入るのだろうと思ったのだが、駅時刻表を確認すると、全列車で上りは1番線、下りは3番線から発着していた。貨物列車が特急を待避するために使っているのかもしれない。

こちらは長万部方のホーム先端。

駅舎に直結する1番線は上り函館方面の列車が発着する。昔は長大な客車列車が来ていたのだろう。

島式ホームとなっている2番線、3番線へは構内踏切を渡って入る。

2017年3月までは、石谷駅と森駅との間に桂川駅が存在した。桂川駅へ訪問出来なかったのは残念なことである。

3番線にて列車を待っていると、タイミング良く上り特急北斗がやってきた。

構内は函館側にかなり長い。さすがは20両編成の貨物列車が走る函館本線である。

定刻通りに13:51発の長万部行き下り普通列車がやってきた。石谷駅でお会いした2名の鉄人とともに乗り込む。このお二方とは後ほどまでご一緒することになった。特に千葉県からいらした「チバさん」(仮名)とは色々なお話が出来て大変有意義な時間を過ごすことができた。

木造駅舎を堪能した石谷駅を後にして、次は隣の本石倉で下車する。



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