2021年11月13日土曜日

本石倉駅

[路線] JR北海道 函館本線
[位置] 北海道茅部郡森町石倉町
[隣駅]   森(6.6km)←石谷(2.1km)←本石倉→(2.1km)石倉
kmは営業キロ

※2022年3月12日を以て廃止されました。

本石倉駅は直線上にコンクリートホームが対向する、一見シンプルで無機質な駅であるが、下り線にある古めかしい木造待合室がひと味旅情を加えていて、そこが魅力的である。また海にも近く、駅を出て国道を渡れば内浦湾に出ることができる。

本石倉駅は森駅から営業キロで8.7kmほど長万部方に位置している。駅の山側には石倉郵便局があり、海側は国道5号線を渡ると目と鼻の先に内浦湾がある。

廃止協議報道の出た道南5駅訪問の旅は、本石倉駅が二駅目の訪問となる。石谷駅から乗車したキハ40 1806の長万部行きはガラガラ。車内は一人旅の旅行者のみでキハ40の走行音だけが車内に響いている。

キハ40の乗降ドアには自動ドアというシールが貼ってある。今でこそ自動、半自動は当然だけど、キハ40系がデビューした当時は旧型客車や20系客車、キハ20系など乗降ドアの開け閉めは手動という車両がたくさん走っていた。

本石倉駅へ下車の準備で前方デッキへ移動する。森駅始発なので、2区間分のみの料金表示。

前面貫通路越しに本石倉駅のホームが見えてきた。駅の前後でススキに囲まれ、秋らしいローカル駅に降り立つことができそうだ。

本石倉駅で下車したのは、石谷駅から一緒に乗車したお二方の鉄人と私の合わせて3名。乗車客はいなかった。

本石倉駅の一番の魅力はなんと言っても、下り線ホームにある小綺麗な待合室である

床は木版が綺麗に敷かれ、歩くと非常に心地よい。温かみがあり、また足への突き返しも少ないのだ。

ベンチは木製の長椅子。床もベンチも全く埃っぽくなく、非常に快適だった。一昔前なら駅寝に使われたのかもしれない。

待合室の窓には見事な千羽鶴が吊されていた。

駅ノートは時刻変更時刻表というケースに収められていた。時刻変更時刻表というのは、2018年に砂原線の徐行運転が実施された際の暫定ダイヤに使われたのだろうか。

反対側のホームから待合室を見てみる。ドアの質感と色合いが素晴らしい。待合室左手の建物は石倉郵便局である。これほどホームから近い郵便局は他にあるのだろうか。この日は休業日であったが、営業していれば、記念に貯金か絵はがきの送付でもしてみたいところである。もしも本石倉駅に因んだ切手や絵ハガキなどがあれば、尚更である。

駅のすぐ裏手にあるのが石倉郵便局。ドアを出て歩いて1分以内に郵便局に入れる。

一部木々や民家に隠れてしまうのだが、下りホームからは駅名板と駒ヶ岳を画角に入れることができた。

駅を出て国道5号線を渡るとその先には内浦湾が広がっている。本日の内浦湾は穏やかである。

石倉漁港越しに見える駒ヶ岳。

内浦湾越しの羊蹄山。

上りホームへは国道側からこの階段を上がって入る。上りホーム上には待合室がなく、上屋も無いので、雨や雪が降るときはこの階段が待合ポイントになる。

上りホームから函館側を望む。ホームは上り下りとも、最大3両分程度で短い。

上りホームで滞在中、タイミング良く下り貨物列車がやってきた。これは動画撮影せねば。

20両のコンテナ車を連ねた堂々たる編成。

そして乗車予定の上り函館行きが時間通りに本石倉駅へと到着する。計画を立てた当初は時間の制約から本石倉の訪問を割愛する予定であった。雰囲気の良い木造待合室を見逃すところであった。訪問できて良かったと思う。

この駅から乗車したのは、自分を含めた鉄人3名。石谷駅でお会いしたお二方とは全く行動が一緒となった。この列車で次の目的地、銚子口駅まで乗車する。


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