2023年6月10日土曜日

藻琴駅

[読み] もこと
[路線] JR北海道 釧網本線
[隣駅]   鱒浦(2.5km)←藻琴→(2.8km)北浜
kmは営業キロ
[位置] 北海道網走市字藻琴

釧網本線の駅めぐりは、これまで何度計画したことだろう?それほど釧網本線には駅舎や食についての魅力的な駅が多い。しかし仕事を言い訳にしている内に旅行が先延ばしになり、そうこうしている間に南斜里駅、南弟子屈駅が未訪問のまま廃止となってしまった。2023年3月のダイヤ改正で細岡駅の冬季営業が休止となるニュースを聞き、特急オホーツクのN183系乗車目的も兼ねて、北海道へと向かった。最初の訪問駅は藻琴駅である。

藻琴駅は網走駅からおよそ10km。平行して路線バスも走っているので、路線バスを組み合わせた訪問もできる。

特急オホーツク1号で網走駅へ到着したのは12:17。ちょうど昼時であり、網走からさほど離れていないの藻琴駅で昼食をとりたいと思いつつも、この時間帯に釧網本線の列車は無い。路線バスも藻琴駅へ向かう便がないので、タクシーで向かうことにした。網走駅で女満別空港入りしたJ氏と合流し、2人でタクシーを利用して藻琴駅へ到着。

板張りの外壁にホーローの駅名標。堂々たる偉容は期待に違わぬ駅であった。KEY COFFEEの立標があるのは食事・喫茶「トロッコ」が入っているためで、ここで食事をする事も楽しみにしていた。

トロッコの店内に入ると鉄人垂涎の品々があちらこちらに配されていた。ドーンと置かれているのは転轍機標識とそこに掛けられたタブレットホルダー、そして網走行きのサボ。

13時半頃ということもあり店内は空いていて、運良く一番奥のボックスシート部分の席を利用できた。旧型客車で使用されていたシートと思われ、ここでホームを眺めながら食事が出来るとは何ともラッキーだ。

私は空腹だったので、ここはガツンと食べようとカツカレーを注文。美味しかった。

J氏が注文したのは名物の「酪農ラーメン」。牛乳入っていて白いスープが特徴である。スープを少し分けてもらう。ミルクの効果なのか、塩ラーメンがマイルドになったような印象であった。

食べ終わってから列車までの時間が合ったので、網走市立第四中学校の前を通って海岸へ向かう。流氷が着岸していることはネットで確認していたが、場所によって疎密が違って、それも時々刻々変わっていくので、どのような流氷状態なのかは実際に行くまで分からない。

雪で足をとられながら小さな坂を登ると、そこには海の青さと流氷の白さが丁度良いバランスで調和した景色が待っていた。手前に小さな坂があったこともあって、登り切った瞬間に流氷の景色が現れるというドラマチックな展開であった。

これまで釧網本線沿いで流氷を見たことは無く、知床半島のウトロで見たことが唯一である。そのときは流氷がビッチリと密になっていて雪原のような景色であったり、所々に海が見えていても曇天で青白のコントラストが弱い景色であった。藻琴駅近くの海岸で見た流氷の景色は正に私が期待していたものであった。Breathtaking viewsとは正にこのことを言うのだろう。

打ち上げられた流氷の大きさに驚く。海に浮かんでいると9割以上が水面下にあるので、その立体的大きさは浜辺で見ると実感できる。

流氷の景色を堪能した後、15:23の列車に乗るべく駅へ戻る。夕刻に近づいたせいか、駅舎のヘッドランプが点っていた。

藻琴駅の時刻表。昼時は11:41の網走行きしかなく、15:23の列車まで暫く時間が空く。年間を通じると日中の乗車が少ないのだろうが、トロッコで昼食をとるのには不便だ。

縦書きのホーロー駅名標は木造駅舎と良く似合っている。いつの間にか、サッポロビールの文字が無くなっている。北海道らしくて良かったのだが、札幌圏以外は無くなってしまったようだ。

15:23発釧路行きの普通列車が時間通りにやってきた。

到着時、列車を出迎えてくれるかのように駅のランプが灯ってくれた。

やってきたキハ54単行列車は超満員であった。流氷時期の釧網本線は例外なく混雑しているのである程度の覚悟はしていたのだが、予想以上であった。この列車で次の目的地「止別(やむべつ)」へと向かった。


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