2018年3月18日日曜日

昆布盛駅

昆布盛駅は根室本線の釧路~根室にある無人駅(北海道根室市)である。根室本線の釧路~根室の駅については、路線名ともなっている終着駅の根室駅、秘境駅の初田牛駅、はたまた日本最東端駅の東根室駅が有名であり、それらと比較して昆布盛駅はひっそりとした存在である。しかし、実際に訪問してみると、時折自動車が走るものの人工物の少ない駅前や、少し歩くと見える昆布盛漁港や太平洋の景色など、中々魅力のある駅であった。


昆布盛駅は根室駅から列車で15分ほど。
閑静な森の中に駅がある。


別当賀駅から乗ってきたキハ54 517から
ホームに降り立つ。
冬らしく、ホームは白い化粧をまとっていた。

ホームの端から根室へ向かう列車を見送る。

駅前の踏切からホームの全景を撮る
僅かな曲線が中々良い味を出している。
ホームはシンプルなコンクリート板である。

可愛らしい待合室はホームの釧路方に位置している。

ホーローの駅名票は木の電柱に掲げられている。


お隣は西和田駅と落石駅。
駅訪問は西和田か昆布盛かで迷ったのだが、
列車の中から両駅を観察して昆布盛駅に決定。

こちらは駅の待合室。


ホームと待合室は短いスロープで結ばれている。


ドアを開けて待合室に入ってみる。


待合室の床は真ん中が盛り上がっている。
意図したものではないだろうが、
これはこれでここにしかない面白さがある。


木製のベンチがあるのが良い。
窓が大きいので、光が良く差し込んで明るい。


待合室は綺麗に整備されている。
駅ノートは見当たらなかった。
次に行く機会があれば、置いてみようか。

時間に余裕があったので、海のほうへと足を向けてみる。
昆布盛の集落は比較的近い。

写真右側にあるのが、昆布盛漁港である。
前日、釧路駅近くの「むらかみ食堂」で食べた
タコの刺身は昆布盛産であった。
中々食べ応えのあるタコで美味しかった。
そのときオーダーした厚岸産のニシンもまた、
極めて美味であった。
花咲線沿いで揚がる海産物は実にクオリティが高い。

写真中央はモユルリ島。
右に移っているのはユルリ島である。

華盛稲荷神社の前からは、根室方面の海岸を
見渡すことができる。

華盛稲荷神社でお参りをする。

神社へのお参りを終えて、駅へと戻ると
ほどなくして釧路行き普通列車がやってきた。

この列車へ乗車し、次の目的地である
初田牛駅へと向かった。



2018年3月10日土曜日

別当賀駅

別当賀駅は根室本線の釧路~根室にある棒線駅である。最初に訪問したのは、フレシマ湿原を目指して降りたおよそ20年前。駅を降りて海を目指し、ひたすらダートを歩いて行った。途中でお会いした根室市の中山さんという方に親切にしてもらい、その方の車でフレシマ湿原や花咲の車石などへ連れて行って頂いたのが何とも懐かしい。その日は夜行のおおぞら14号で札幌へ向かう旨を伝えると最後は根室駅まで送ってくれ、根室駅のKIOSKで夜食にとパンまで買って頂いた。20年前のことだが、そのとき親切にして頂いた思い出は決して色あせることなく、今もなお、ありありと思い出せる。そんなこともあり、根室や別当賀は私にとって特に思い出深い駅である。再訪した私を待っていた車掌車待合室は当時と変わっていなかった。



別当賀駅は根室から列車で30分ほど。
この駅の少し根室よりでは車窓から一瞬根室湾、
広義で言えばオホーツク海を見られるポイントがある。


J氏と私を降ろしたキハ54が釧路へ向けて走り去っていく。20年前もキハ54から下車したのを覚えている。そのときは夏であった。


到着したのは夜明け前。
車掌車待合室と駅名板がくっきりと目立つ頃であった。

根室方を見ると、
まさに太陽が出ようとする準備をしていた。

日の出時間を迎えると、快晴の空のもと、
輝く太陽が姿を現した。


張り詰めたような寒さを和らげるかのように、
陽の光が駅名板を照らし始めた。
このときは放射冷却とあいまってか、一際寒さが厳しく、
まさにしばれるという表現に相当する朝であった。
無風にもかかわらずこの寒さを経験するのは
初めてであったと思う。
別当賀のピンポイント天気予報を見ると冬期は
-15℃になることもしばしばあるようで、
この時の気温は間違い無く-10℃を下回っていたと思う。
駅巡りの経験上、この時の寒さが最も厳しいものであった。

待合室の中は至ってシンプル。
右側の長いすは年季が入ったもののようだ。

同行してもらったJ氏が、この運賃表のマップを見て、
何だかこの地図、向きがおかしいぞ?と気づいた。
言われてみれば確かにそうだ。

車掌車待合室の二重窓には可愛らしいJRマークの
ステッカーが貼られていた。

朝日が上がってくると、窓枠のリベットが
存在感をアピールし始める。

こちらは駅前の様子。
駅前には民家があり、秘境駅という感じはしない。

線路沿いの凍てついた道路を歩いて身体を暖める。
この写真の左手には廃校となった別当賀小学校が
別当賀夢原館と名を変えて宿泊可能な学習施設として
学校の姿を留めている。

線路沿いを根室方へと歩くと、踏切に到着した。
そこから釧路方を見ると月が空に浮かんでいた。

駅前の地面を見るとたくさんの鹿の足跡があった。
別当賀~落石はJR北海道の路線中、
最もエゾシカ生息密度が高い区間だそうで、
運転には気をつかうようだ。
昨晩は茶内駅で列車交換をする際に、
運転士さん同士が無線で
エゾシカの情報を交換していたようだった。

 
児童公園と車掌車待合室の組み合わせは
全く違和感のない風景を作り出していた。

約1時間20分の時間が経ち、
待ちわびた列車がやってきた。

やってきたのはお馴染みのキハ54 500。
この列車に乗車したのは私と、
一緒に同行してもらったJ氏のほかに
1人の地元高校生であった。
車内はことのほか暖かかった。



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