別当賀駅は根室から列車で30分ほど。
この駅の少し根室よりでは車窓から一瞬根室湾、
広義で言えばオホーツク海を見られるポイントがある。
到着したのは夜明け前。
車掌車待合室と駅名板がくっきりと目立つ頃であった。
根室方を見ると、
まさに太陽が出ようとする準備をしていた。
日の出時間を迎えると、快晴の空のもと、
輝く太陽が姿を現した。
輝く太陽が姿を現した。
張り詰めたような寒さを和らげるかのように、
陽の光が駅名板を照らし始めた。
このときは放射冷却とあいまってか、一際寒さが厳しく、
まさにしばれるという表現に相当する朝であった。
無風にもかかわらずこの寒さを経験するのは
初めてであったと思う。
別当賀のピンポイント天気予報を見ると冬期は
-15℃になることもしばしばあるようで、
この時の気温は間違い無く-10℃を下回っていたと思う。
駅巡りの経験上、この時の寒さが最も厳しいものであった。
待合室の中は至ってシンプル。
右側の長いすは年季が入ったもののようだ。
同行してもらったJ氏が、この運賃表のマップを見て、
何だかこの地図、向きがおかしいぞ?と気づいた。
言われてみれば確かにそうだ。
車掌車待合室の二重窓には可愛らしいJRマークの
ステッカーが貼られていた。
朝日が上がってくると、窓枠のリベットが
存在感をアピールし始める。
こちらは駅前の様子。
駅前には民家があり、秘境駅という感じはしない。
線路沿いの凍てついた道路を歩いて身体を暖める。
この写真の左手には廃校となった別当賀小学校が
別当賀夢原館と名を変えて宿泊可能な学習施設として
学校の姿を留めている。
線路沿いを根室方へと歩くと、踏切に到着した。
そこから釧路方を見ると月が空に浮かんでいた。
駅前の地面を見るとたくさんの鹿の足跡があった。
別当賀~落石はJR北海道の路線中、
最もエゾシカ生息密度が高い区間だそうで、
運転には気をつかうようだ。
昨晩は茶内駅で列車交換をする際に、
運転士さん同士が無線で
エゾシカの情報を交換していたようだった。
児童公園と車掌車待合室の組み合わせは
全く違和感のない風景を作り出していた。
約1時間20分の時間が経ち、
待ちわびた列車がやってきた。
やってきたのはお馴染みのキハ54 500。
この列車に乗車したのは私と、
一緒に同行してもらったJ氏のほかに
1人の地元高校生であった。
車内はことのほか暖かかった。