2018年3月10日土曜日

別当賀駅

別当賀駅は根室本線の釧路~根室にある棒線駅である。最初に訪問したのは、フレシマ湿原を目指して降りたおよそ20年前。駅を降りて海を目指し、ひたすらダートを歩いて行った。途中でお会いした根室市の中山さんという方に親切にしてもらい、その方の車でフレシマ湿原や花咲の車石などへ連れて行って頂いたのが何とも懐かしい。その日は夜行のおおぞら14号で札幌へ向かう旨を伝えると最後は根室駅まで送ってくれ、根室駅のKIOSKで夜食にとパンまで買って頂いた。20年前のことだが、そのとき親切にして頂いた思い出は決して色あせることなく、今もなお、ありありと思い出せる。そんなこともあり、根室や別当賀は私にとって特に思い出深い駅である。再訪した私を待っていた車掌車待合室は当時と変わっていなかった。



別当賀駅は根室から列車で30分ほど。
この駅の少し根室よりでは車窓から一瞬根室湾、
広義で言えばオホーツク海を見られるポイントがある。


J氏と私を降ろしたキハ54が釧路へ向けて走り去っていく。20年前もキハ54から下車したのを覚えている。そのときは夏であった。


到着したのは夜明け前。
車掌車待合室と駅名板がくっきりと目立つ頃であった。

根室方を見ると、
まさに太陽が出ようとする準備をしていた。

日の出時間を迎えると、快晴の空のもと、
輝く太陽が姿を現した。


張り詰めたような寒さを和らげるかのように、
陽の光が駅名板を照らし始めた。
このときは放射冷却とあいまってか、一際寒さが厳しく、
まさにしばれるという表現に相当する朝であった。
無風にもかかわらずこの寒さを経験するのは
初めてであったと思う。
別当賀のピンポイント天気予報を見ると冬期は
-15℃になることもしばしばあるようで、
この時の気温は間違い無く-10℃を下回っていたと思う。
駅巡りの経験上、この時の寒さが最も厳しいものであった。

待合室の中は至ってシンプル。
右側の長いすは年季が入ったもののようだ。

同行してもらったJ氏が、この運賃表のマップを見て、
何だかこの地図、向きがおかしいぞ?と気づいた。
言われてみれば確かにそうだ。

車掌車待合室の二重窓には可愛らしいJRマークの
ステッカーが貼られていた。

朝日が上がってくると、窓枠のリベットが
存在感をアピールし始める。

こちらは駅前の様子。
駅前には民家があり、秘境駅という感じはしない。

線路沿いの凍てついた道路を歩いて身体を暖める。
この写真の左手には廃校となった別当賀小学校が
別当賀夢原館と名を変えて宿泊可能な学習施設として
学校の姿を留めている。

線路沿いを根室方へと歩くと、踏切に到着した。
そこから釧路方を見ると月が空に浮かんでいた。

駅前の地面を見るとたくさんの鹿の足跡があった。
別当賀~落石はJR北海道の路線中、
最もエゾシカ生息密度が高い区間だそうで、
運転には気をつかうようだ。
昨晩は茶内駅で列車交換をする際に、
運転士さん同士が無線で
エゾシカの情報を交換していたようだった。

 
児童公園と車掌車待合室の組み合わせは
全く違和感のない風景を作り出していた。

約1時間20分の時間が経ち、
待ちわびた列車がやってきた。

やってきたのはお馴染みのキハ54 500。
この列車に乗車したのは私と、
一緒に同行してもらったJ氏のほかに
1人の地元高校生であった。
車内はことのほか暖かかった。



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