2018年9月29日土曜日

藤山駅

留萌本線藤山駅には、昔ながらの木造駅舎が残る。有人駅時代の業務室のほうは撤去されてしまい、待合室部分だけが残っているため、建物の高さと幅の比率が独特な外観となっている。

留萌本線、石狩沼田~留萌の廃止に伴い、2023年4月1日を以て廃止されました。





藤山駅は留萌から10kmほどに位置する。

駅へのアプローチは路線バスとなった。
藤山バス停で下車。駅は目の前である。

 駅前には大きな木があり、歴史を感じさせてくれる。

駅の入口にかかる標は立派な筆書きであった。

板張りの駅舎は化粧が施されること無く、
往時の姿を留めている。

木像駅舎の良いところは、
経年を重ねてもその時その時で板の褪色具合が
良い味を出してくれるところだ。

柱はその昔、白色に塗装されていたのだろう。

木造屋根が利用客を迎えてくれる。

ホーム側から見ると確かに写真右奥に昔の建物が
あっただろうことが想像できる。

深川方には切り取られて無くなった
駅事務室側の土台が残っている。

土台の近くには柵の杭として使われたのだろうか、
レールがあった。

駅舎の出入り口には昔の改札の名残が見られる。

駅へと続く通路を示すかのように
新しい砂利が撒かれていた。

ホームの端に立ち、深川方を眺めると、
線路が湾曲しているのが見える。
藤山駅が交換駅だった名残である。

ホームの留萌方を見る。
長閑で癒やされる光景である。

 ホームを照らす照明は木製柱によって支えられていた。

駅の前には藤山開拓之碑がある。
北海道の実業家であり、この地を開墾した
藤山要吉さんから藤山という地名がついたようである。

待合室には、木製ベンチがあった。

格子状の天井と吊される蛍光灯の組み合わせが
時代を感じさせる。

待合室にはローカル駅お馴染みの駅ノートがあった。
私もここに足跡を残した。

藤山駅は留萌に比較的近い。
留萌へ訪れる際には是非とも立ち寄りたい駅だ。



さて、そうこうしている内に、
列車がやってくる時間となった。
時刻通りに留萌行きがやってきた。

この列車は二両編成で後ろ一両は回送扱い。
久々に留萌本線で単行でない列車を見た気がする。
私と入れ替わるように2人の旅人が降りていった。
この列車に乗車し、藤山駅を後にした。


2018年9月21日金曜日

峠下駅

留萌本線峠下駅は、留萌本線で唯一の交換設備を備え、木造駅舎の残る風格のある駅である。周囲に民家のない秘境感漂う場所で、静かに列車交換の役目を担っている。

留萌本線、石狩沼田~留萌の廃止に伴い、2023年4月1日を以て廃止されました。



峠下駅は国道と少々離れているためか、
非常に閑静な環境にある。
日中は、ダンプカーがたまに駅前の道路を走る程度である。

列車は恵比島駅を出ると峠越えにさしかかる。
この峠を越えた先にあるのが峠下駅だ。

勾配、トンネルを越えながら峠に向かう。

上り勾配が終わると、エンジンがアイドル音になり、軽やかに下り坂を走っていく。

信号が見えてきた。まもなく峠下駅である。

峠下駅を示す黄色い標識が見え、
その先には黄色信号も見て取れる。
駅は近いようだ。

大きく左にカーブを曲がった先には
峠下駅が待ち構えていた。

峠下駅へ到着。
下り留萌行きは上り対向列車と交換するため、
暫し休憩する。

対向ホームにやってきた、交換相手の深川行き。

行き違いを済ませた留萌行きが発車していく。

広い構内をカタコトと音を立てて去って行く。
やはり交換設備の残る駅は良い。

大きな木造駅舎が残る峠下駅。
貴重な存在である。

千鳥配置のホームは砂利タイプで対向型。
タブレット交換時代の名残といえる。

昔はたくさんの客車や貨車を連ねた、
SL列車が行き来していたのだろう。
それを偲ばせる広い構内である。

深川方上り線の脇には、留置線がある。
保線車や除雪車などが使うのだろうか。

お隣の幌糠駅はシール貼りとなっている。
2006年まで営業した東幌糠駅がそれまでの隣駅であった。

北海道といえば、この縦書きホーロー駅名板。

駅本屋側には貨物ホームの跡がある。

木造駅舎は木張りの外壁が味わい深い。
窓枠は木製である。

広い待合室にはポツンとプラベンチが並んでいる。
4つだけだが、これで十分なのだろう。

塞がれてしまった窓口に残る台には、
駅ノートが置いてあった。


こちらは荷物窓口だったのだろうか。
やはりベニヤ板で塞がれていた。

北海道の駅で見られる煙突暖房。
冬期、保線の人が駐在するとき、
こちらの待合室もこの煙突を介して暖かくなるのだろう。

駅の外には積雪深を測るメジャーがある。
この辺りは雪が深いのだろうか。

下りホームには古めかしい温度計があった。

駅本屋の脇、貨物ホームの行き止まりとなる場所に
古めかしい木造建屋がある。

荷物保管庫とのことで、
除雪関係機械があるのだろうか。

入口はかんぬきでしっかりと止められていた。

駅本屋の脇には「国有鉄道」という杭が
ひっそりと存在していた。

駅の周囲には倒壊してしまった家屋の残骸がある。

 踏切から駅構内を眺めてみる。
緑に囲まれ、落ち着く雰囲気の駅だと思う。


次の列車までは随分と時間があるため、
路線バスで移動する。
峠下分岐点のバス停は駅から歩いて5分ほどだ。

ほぼ時間通りにやってきた留萌行き道北バス。
これに乗車して峠下駅を後にした。

こちらは、夜間時間帯に訪問したときの写真。

周囲に人工物がないせいか、駅以外は真っ暗闇である。

大きな木造駅舎が煌々と光を湛えている。

やがて上り深川行きがやってきた。
この列車に乗車して峠下駅を後にした。
この時は夜間でありながらも素晴らしい駅の思い出と
なったため、再訪を心に誓ったのであった。



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