2017年2月25日土曜日

剣淵駅

宗谷本線剣淵駅は剣淵町の中心にあり、比較的乗降客の多い駅である。この駅の魅力は、なんと言っても駅前旅館の「食」にある。木造駅舎や板張りホーム、大自然に溶け込むような雰囲気は無いが、一方で駅の目の前にある駅前旅館の「食」はそれを補って余りあるほどの魅力があり、この駅を再訪したいという気にさせる。

お隣の東六線駅を訪問後、自力で剣淵駅までやってきた。東六線駅からだと特急が止まる和寒駅へ行くのも手である。しかしこのときは「なんとなく」剣淵へ向かった。それが期せずして旅の僥倖を招くこととなった。


剣淵駅舎の全景。
シンプルでモダンな建物である。

東六線駅から一時間ほどだろうか。
駅近くの踏切を渡ると、一線スルー式の交換設備を備える
剣淵駅が見えてきた。

駅近くの倉庫ではコンテナへ農産物が積み込まれていた。
鉄道貨物を使って運ばれていることが何だか嬉しくなる。
どこまで運ばれるのか気になるものである。

剣淵駅周辺は剣淵町の中心であり、COOPの大きな店もある。

駅が見えてきた。
東六線駅から長い間歩いて来たせいか、このとき少々空腹であった。
パンを持っていたものの、食堂で暖かいものを食べたい気分となり、
ラーメンの幟に導かれるようにお店へ入った。

こちらが食事をした駅前旅館。
一見普通の食堂である。 
店に入り、メニューを確認するとカレーやラーメンなどがあった。
このとき列車の発車まで20分程度しかなかったので、
カレーなら間に合うかもしれないと思い、聞いてみると、
「大丈夫」とのことだったので、
迷うまでもなくカレーをオーダーした。

運ばれてきたカレーを見てびっくり。
見た瞬間、これは普通のカレーではないと直感が走った。

食べてみてさらに驚いた。
「美味しんぼ」風に言えば、口に入れた瞬間に
タラン♪ という効果音の後に、
 「こ、これは!」という言葉が出てくような印象であった。
豊かな風味とコクのあるルーが、絶妙なトロトロ感と共に、
ライスと見事に絡みあい、口の中でジェントルに拡がっていくのだ。
さらにスプーンを入れただけでほぐれる豚肉との相性も抜群である。
今まで私が食べたカレーの中で間違いなくNo.1である。
図らずも最高に美味しいカレーを食べることが出来た。
私は幸せ者である。

(J氏提供の写真) 
別の機会に剣淵駅へ訪問し、駅前旅館で食事をした
J氏(鉄旅の先輩にコメントを求めた。
ラーメン&カレーセット(900円)
劇旨。ラーメンは煮干しダシと思われる、濃厚しょう油。

 麺はコシがちょうどよく、のびない。
カレーのこの味は、ホテルのレストランをしのぐ。

カレーの最上級だろう。王者だ。
大きなポークの塊があり、スプーンを入れると意外な柔らかさでホロリとほぐれる。 
とにかく、このレベルの高さはすごい。人を幸せにする味だ。
 これは剣淵町の財産だ。剣淵の人は幸せだ。
かつ、ここに立ち寄る旅人の幸いだ。

食事を終えて剣淵駅へ来る。
列車の到着まで間もなくだ。
乗降客が比較的多い割には、シンプルな駅である。

剣淵駅の構造物で見応えがあるのは、この跨線橋だと思う。
駅前旅館のカレーばかりに熱い文字を残したが、
この跨線橋を見ることも剣淵駅の魅力である。

跨線橋から見た駅構内。
宗谷本線の駅だけに有効長が大きくとられている。
10両分くらいはありそうだ。


跨線橋はリベットで形成されていた。
古さを感じさせるものだ。
剣淵は絵本の里として、町づくりをしているようで、
調べて見ると絵本の里大賞などのコンクールを催しているようだ。 
やがて、時間通りに旭川行きのキハ40がやってきた。
剣淵に来られて良かったと思う。
またの再訪を誓ってキハ40に乗り込んだ。 

鉄旅写真報告的訪れたいローカル駅ランキング


鉄旅の先輩であるJ氏より、一部貴重な写真とコメントを頂きました。
ありがとうございました。
※J氏よりご提供頂いた写真は転載をお断りします。

2017年2月10日金曜日

東六線駅

北海道の開拓地に見られる「漢数字+線」、「漢数字+条」という地名は、アイヌ語由来の地名にある韻の良さには負けるが、こちらはこちらで大いに北海道らしさを感じさせるものである。「漢数字+線」の駅名は名寄本線の四号線駅なき今、宗谷本線の東六線駅が唯一の存在である。以下は東六線駅を訪問したときの記録である。


東六線は防雪林に囲まれた閑静な駅た。
ホームはスロープつきの板張りタイプである。

東六線駅は剣淵と士別の中間に位置する。
周囲は農地に囲まれている。


上り列車で東六線駅を目指す。
長い直線区間に入ると小さな駅が姿を現す。

 そして下車。
降りたのは私一人であった。

 少し傾いた駅名板とともに、キハ40の普通列車を見送る。

 名寄方の車両はキハ40 100の一次型であった。
車内の化粧板がピンク色のタイプである。
私がこの型のキハ40に乗れると嬉しくなる。

こちらが駅の待合室。 
外板がトタンと思われる鉄板で覆われているので、
二駅となりの北剣淵駅の待合室と比べると新しく見えてしまう。

仮乗降場の出自を持つ駅だけに
待合室の駅名板は「乗降場」の文字がある。
駅名板の字体が実に良い。

待合室には木製のベンチが並んでいる。
フロアは砂利敷きである。

 ベンチの一部には座布団代わりのマットが敷いてある。
ローカル駅の必須アイテムこと駅ノートもある。

 待合室の一角には箒が備えてあった。 
藁のようなものが床や箒の近くでちらばっている。
保温か何かの目的があるのだろうか。

 旭川~名寄間に位置しており、この区間を走る列車は多いのだが、
東六線を停車する列車は少ない。

 こちらは駅ノート。
東六線駅を訪問する人はあまり多くないのか、
書き込みの間隔が結構空いていた。


 滞在中に快速なよろ号が通過していった。
高速でしかも単行のためか、まさに「あ」っという間の通過であった。

 駅の周囲には人家がそこそこある。

 駅の訪問を楽しんだ後、剣淵駅を目指して自力移動。
道を走る車はほとんど無く、散策気分で移動することができた。

 移動途中で宗谷本線のガーダー橋を見ることができた。
ここを走るラッセル車の撮影が出来たら良い絵になるだろうと思う。



javascript:void(0)