2026年10月10日土曜日

学田駅

[読み] がくでん
[路線] JR北海道 富良野線
[隣駅]    富良野(2.3km)←学田→(2.8km)鹿内
[位置]    北海道富良野市字西学田二区
                43.366336N, 142.386281E

富良野線は板張りホームの駅が比較的多く、旭川~富良野の全18駅に対し北美瑛、西中、鹿内、学田と4駅もある。板張りホーム好きとしては中々魅力的な路線である。まずは学田駅へ行ってみた。

学田駅は、北海道富良野市にあるJR富良野線の駅で、富良野駅の隣、旭川方面へ向かって最初の駅にあたる。富良野市街を北に抜けた場所に位置し、国道237号に近接している。

出発は旭川駅。5:44発の朝一番富良野行に乗車する。写真は4両編成に見えるが、列車は前方の2両である。H100形には、向かい合わせのボックスシートがあり、2人掛けと4人掛けの配置がある。旭川のH100形は特別快速「大雪」の運用に入ることもあり、2人掛けのボックスシートを4人掛けに改造する動きが進んでいる。そのため、他のH100形と比べて座席数が多いのが特徴だ。
個人的には、2人掛けのボックスシートは何故だか落ち着かないので、4人掛けのボックスシートが増えているのは非常に嬉しい。

列車はチラホラ乗り降りがあるものの、ガラガラのまま歩みを進めていく。今まで富良野線に乗ると空いていたことがなく、座席も通路側しか座れた記憶がない。ゆっくりと車窓を眺めながら乗車する富良野線は大変良いもので、あっという間に時間が過ぎていく。そして間もなく学田へ到着する。

6:56、定刻通りに学田駅へ到着。先頭車の前側ドアのみがホームに掛かり、停止した。私一人が下車し、他に乗降客はいなかった。列車は富良野へ向けて発車していく。次に乗る列車は7:06の上り旭川行でタイムリミットは僅か10分。時間を節約しながら早速駅を見てまわることにしよう。

学田駅の目の前には玉ねぎ畑が広がり、裏手には防風林が続いている。いかにも北海道らしい、良いところだ。真っ直ぐに伸びる線路に、板張りのホームが寄り添うように設けられている。

目の前の畑ではちょうど玉ねぎの収穫中。大きくて形の揃ったたまねぎがたくさん並んでいる。富良野盆地は農業が盛んで、お隣の富良野駅には農産物を主とした臨時貨物列車が発着する。

学田駅の待合室は糠南駅に通ずる鉄板葺きの外観。シンプルな待合室ほど、板張りホームには似合う。

続いてスロープからホームへと上がってみる。学田駅での滞在時間は僅か10分。とにかく時間がない。本当は40分くらいは時間を取ってゆっくり駅を見たいけども、今回は急ぎ足で次から次へと見ていく。

板張りのホームを歩く感覚は、何度味わっても心地よい。朝の爽やかな空気に包まれながら、学田駅は静かに佇んでいる。……と言いたいところだが、実際にはそれほど静かな場所ではない。すぐ近くを国道237号が走っており、朝ということもあり多くの車が行き交っている。そのため、駅の周囲には思いのほか大きな走行音が響いていた。

こちらは富良野方の景色。学田駅を出ると、線路は大きく左へカーブしながら進路を変え、富良野駅へと向かっていく。

待合室は鉄板敷きで、座面に木板を使ったベンチが壁沿いに置かれている。10人ほどが腰掛けられそうな、素朴ながらも落ち着いた空間だ。

ベンチの端には駅ノートが置いてあった。この時は滞在時間10分とあって、書き込むことは出来なかった。書き込みのメッセージを見るのがローカル駅訪問の楽しみの一つであるが、今回は時間の都合上、割愛。

学田駅は、富良野駅から一駅目にあたる駅で、駅番号は「F44」。富良野線の駅は現在のところ廃止対象となっていないため、駅番号も欠番になることなく、きれいに並んでいる。

富良野線は、北海道の地方交通線としては比較的列車本数が多く、ローカル線の中では利用しやすい路線だ。ただし、学田駅には通過する列車もあるため、訪問の際は時刻表を確実に確認しておきたい。

列車がやってくるまでのわずかな時間、ベンチに腰掛け、待合室からホームの景色を眺める。駅前の踏切が鳴り始める瞬間までのひととき。

定刻通りに7:06発旭川行がやってきた。10分間という大変短い滞在時間であったが、到着・発車とも時間通りに列車が走ってくれたので、慌ただしくあったものの何とか駅を楽しむことができた。

やってきた旭川行は「H100-27」+「H100-20」の二両編成。自分の他に乗降客は無かった。この列車で西中駅を目指す。


2026年9月23日水曜日

瑞穂駅

[読み] みずほ
[路線] JR北海道 宗谷本線
[隣駅]    風連(3.6km)←瑞穂→(2.8km)多寄
[位置]    北海道士別市多寄町
                44.266156N, 142.396259E

宗谷本線の瑞穂駅は、利用者数の少なさから2027年3月をもって廃止する方針がJR北海道から士別市に示され、士別市もこれを受け入れる方向となった。廃止の公算が高まる中、「現役の駅」であるうちにぜひ訪れておきたいと思い、瑞穂駅へと向かった。

瑞穂駅は南北に長い名寄盆地の中心付近に位置している。通過列車の多い駅であるが、隣の風連駅、多寄駅との距離は比較的近く、これら駅から徒歩でアクセスすることも可能だ。バスの場合は、道北バスの31線バス停が駅に近い。

音威子府から乗車した「サロベツ4号」は、そこそこ混み合っていた。私が乗車した3号車を見渡してみると、2名掛けのシートが2席とも空いている場所は、ざっと数えても4か所ほど。音威子府から約45分、列車は名寄駅に到着。宗谷本線を代表する主要駅だけあって、多くの乗客がホームで待っていた。

名寄駅の大型木造駅舎は、何度見ても風格があって実に素晴らしい。名寄駅で下車するたびに、駅前からその姿を眺めているのだが、今回もやはり「いいなあ」と思う。さて、今回ここで下車したのはここから路線バスに乗り換えるため。目的地の瑞穂駅は普通列車でも通過する列車が多く、列車だけで乗降するには少々困難さのある駅である。そこで今回は、往路を路線バスでアクセスし、瑞穂駅から上りの旭川行き列車に乗車するというスケジュールとした。

16:10発の道北バス旭川行は名寄駅を出ると左手にキマロキ編成が見える。キマロキ編成は、SL時代の排雪列車である。このキマロキ編成のいるところはかつての名寄本線のルート上である。

名寄駅から乗車すること27分、バス停「31線」に到着した。下車したのは、私の他にもう一人の鉄人。やはり瑞穂駅を目指すのであろう。後ほどお話をしたのだが、大変良い方であった。

31線バス停から歩いて5分ほどのところに、瑞穂駅がある。ちょうど上り旭川行きの普通列車がやって来た。この列車は瑞穂駅には停車せず、そのまま通過していく。瑞穂駅を勢いよく通過していく列車の姿がこちら。

到着した瑞穂駅。板張りホームにこじんまりとした待合室。実に良い雰囲気である。乗車予定の列車は17:39発なので1時間ほどの時間がある。夕暮れ時の瑞穂駅をしっかりと堪能できそうだ。

瑞穂駅の待合室とホーム。ホームは段々と貴重になってきた板張り形式。元々利用者数がそれほど多くないことを想定していたのだろうか、ホームは非常に短く、1両分にも満たないほどの長さ。小さな待合室と短い板張りホームだけが佇む姿は、いかにも北海道のローカル駅といった趣である。

待合室の前には、植えられた花々がピンク、赤、黄色と色鮮やかに咲き誇り、駅に彩りを添えている。雑草もなく綺麗に咲かせるには結構な手入れが必要で、こうした花々を眺めていると、地元の方々に大切にされている駅であることが伝わってくる。

待合室に取り付けられていた、こちらのサビサビの鉄板。駅の建物財産標かと思いきや、よく見るとそうではない。
よく見ると、
「承認** 昭和53年**23日」
「承認** **第417号」
と記載がある。昭和53年というと仮乗降場時代であるから、この待合室は地元の有志によって建てられ、当時の国鉄が待合室として承認した、ということなのだろう。

待合室の内装はベージュ系の色合いで統一され、落ち着いた雰囲気が漂っている。照明には、今では少しずつ姿を消しつつある直管蛍光灯が使われている。大幅に手を加えられることもなく、昔ながらの姿を保ったまま今日まで維持されてきたのではなかろうか。

木の板が敷かれた簡素なベンチ。床はコンパネが使われている。コンパネはコンクリートの型枠に使われる木材で、耐久性があり、実用的な良い使い方だと思う。

瑞穂駅の駅番号はW45。旭川~名寄の駅は廃止が進んでおり、W33南比布、W35北比布、W39東六線、W41北剣淵が廃止されて、欠番となってしまった。他方、明るい話題もあり、風連駅と名寄駅の間にあった東風連駅が移設され、名寄高校駅として生まれ変わった。これで宗谷本線の高校生の利用が増えたようだ。高校生利用者の多さはローカル線の存廃を左右するので、宗谷本線にとって明るい材料である。

瑞穂駅の発車時刻表を見ると旭川方面、名寄方面ともに朝夕の使いやすい時間帯に列車が設定されている。一方で日中の時間帯の本数が少なく、通勤・通学に特化したダイヤとなっている。

駅ノートは壁フックに掛ける形で備えてあった。このとき瑞穂駅には、バスでやって来た私と、もう一人の「鉄人」、そして15時14分発の下り名寄行き列車で訪れた「鉄人」の計3人が集まっていた。お二人とも大変気さくで良い方で、互いに配慮しながら良いひと時を過ごすことができた。15時14分の列車でやって来た方は、なんと私が今朝書き込んだ兜沼駅の駅ノートを設置された方とのこと。駅巡り好きは、駅で出会う。思いがけない遭遇であった。

板張りホーム上から旭川方を眺める。真直ぐに敷かれた線路がはるか先へと続く。上り列車は瑞穂駅から士別駅の手前まで、直線で南下するのでスピードを出せる区間に入る。

こちらは名寄方の風景。
板張りホームを歩く間隔は何とも心地よい。血圧が10くらい下がるのではないかと思うほど落ち着く。湿原の木道を歩く時も似たような独特の癒しがあるのだが、木で出来た床や道というのは、人間を自然と落ち着かせる何かがあるのだろう。

15:14着の「鉄人」に教えてもらい、駅の東側にある道路まで行ってみる。ここからの瑞穂駅遠景もなるほど素晴らしい。豊かな穀倉地帯である名寄盆地らしさを感じさせてくれる。

1時間の滞在はあっという間に過ぎ、乗車予定の17:39発の旭川行普通列車がやってきた。これが最初で最後の瑞穂駅訪問となりそうだ。この駅に来られて良かった。

17:39発の旭川行に乗車したのは、我々鉄人3名。降車客はなかった。車内は比較的混んでおり、ボックスシートの通路側に座って旭川駅へと向かった。

H100形の車内から天塩山地に沈みゆく夕日を眺める。兜沼、音威子府、瑞穂と3駅を訪問したこの日は幸いにも雨に降られることなく、天気に恵まれた。充実した駅巡りの一日であった。

終着の旭川駅へ到着し、今回の宗谷本線の旅も無事終了。キハ40が引退し、またキハ150も旭川から転出したので、駅に並ぶ面々も随分変わった。

本日の〆は、旭川駅から徒歩15分の「ランデブーダイナー」。オーダーしたのは「特製スパイスカツカレー」。カツは肉が丁寧に叩かれているのか、ほどよくほぐれた食感で、柔らかい。そして、カレーはスパイスの風味と深いコクがあり、カツとの相性も抜群。良く歩いた一日を締めくくるにふさわしい、満足度の高い一皿であった。


2026年9月21日月曜日

音威子府の駅そばを堪能する

[読み] おといねっぷ
[路線] JR北海道 宗谷本線
[隣駅]    筬島(6.3km)←音威子府→(4.6km)咲来
[位置]    北海道中川郡音威子府村音威子府
                44.729425N, 142.259871E

数ある駅そばの中でも、とりわけ有名だったのが、音威子府駅の駅そばである。そば殻をあえて練り込んだ黒い麺は、他では味わえない独特の風味と色合いで、多くの鉄道ファンやそば好きに親しまれてきた。しかし、かつての店主が亡くなり、さらに麺を製造していた畠山製麺も2022年に閉業。これにより、麺を作る側と、駅で麺を茹でる側の双方がいなくなってしまった。こうして、名物「音威子府駅そば」は永遠に途絶えてしまったかと思われた。

ところが、2025年夏――。駅前でゲストハウスを営む竹本さんが、そんな音威子府駅の駅そばを復活させた。復活後の人気はすさまじく、わずか1年で2万杯を達成。しかも営業は週3~4日、11時から14時までという限られた時間帯である。それだけ多くの人が、この「黒いそば」の復活を待ち望み、そして実際に美味しいということだろう。

復活した駅そばを味わうため、音威子府駅訪問を必須項目として旅程に組み込んだ。かつての訪問はこちら。

駅は村の名前を関する通り、音威子府村の中心に位置する。

兜沼駅から乗車した名寄行普通列車は大盛況。この列車は幌延駅で特急「宗谷」と列車交換を行うため、11時46分の発車まで13分間停車する。せっかくの長めの停車時間ということもあり、乗客の多くはホームに降り、それぞれ思い思いに時間を過ごしている。この時間帯の上り普通列車は、かなり以前から設定されている。かつて礼文島を旅行した際には、朝に香深港を出るフェリーからこの列車へ乗り継いだ記憶がある。しかし、現在はダイヤが変わり、礼文島からのフェリーとは接続しなくなっているようだ。一方、利尻島からの便とは接続が確保されている。せっかくの列車なのだから、礼文島からのフェリーも含めて接続がうまく取れれば、宗谷本線の利用者をさらに増やせるのではないだろうか。このあたりは、自治体が主体となってJR北海道とハートランドフェリーとの間でダイヤを調整するなど、もう少し連携が図られてもよいのかもしれない。ここから地元の若い学生さん2人、保育園児4名とその引率3人が乗車。

列車は廃止された上幌延駅を通過していく。車掌車を改造した待合室と駅名標は現役かと見紛うほどの状態で残っていた。

さらに安牛駅跡も通過。こちらにも車掌車改造の待合室が残っていた。位置はホームから少し離れたところに移されたようだ。

旧雄信内駅こと雄信内信号場を通過。糠南と幌延の間には、上幌延、南幌延、安牛、雄信内と4つの駅があったのが、これらは利用者僅少のため廃止されてしまった。


雄信内信号場と糠南駅の間は天塩川右岸の斜面を張り付くようにして走る。この区間は時速45kmに制限されるので、車窓をしっかりと堪能できる。

そして秘境駅で有名な、糠南駅へ到着。ロングシート部分で窓を大っぴらに開けると、乗客の皆さんがちょっと撮って良いですか?と撮影に来た。どうぞどうぞと撮影してもらう。こんな風に窓を大きく開けられるのもキハ54ならではだ。

車内はご覧のとおり、旅行者で大賑わい。列車は多くの乗客を乗せ、音威子府へ向かって進んでいく。糠南の次の問寒別では、保育園児4名と引率の先生3名が下車した。10時03分の下り列車に乗り、幌延方面へ行ってきたのだろうか。宗谷本線では、どうしても旅行者の利用が目立つが、地元の方々にもこの昼前の列車が日常の足として利用されている。 その光景を見られたことが、何だか嬉しかった。

歌内駅跡を通過する。車掌車待合室が撤去され、草が生い茂っているので、ここに駅があったことを見逃してしまいそうだが、写真右側の青屋根の建屋は確かに現役当時にもあったものである。

13時過ぎ、列車は音威子府へと到着する。分岐器が右へと開かれ、列車は一番駅舎側の1番線へと入っていく。駅そばを目的とする乗客も多いようで、デッキには多くの人が出てきた。

音威子府駅へと到着。列車は13時16分の発車まで、およそ10分ほど停車する。すると、待ってましたとばかりに多くの乗客がホームへと降りてくる。皆さんのお目当ては、駅そばのようだ。昼時に音威子府駅を発着する列車は、この普通列車「名寄行き」か、少し早い時間に到着する特急「宗谷」稚内行きの2本。列車で駅そばを目当てに訪れるなら、これらの列車を利用するのが便利だろう。

お目当ての「駅そば」は、活気に満ちて営業していた。厨房では、竹本さんたちが忙しそうに蕎麦を茹でている。音威子府駅で、もう一度こんな活気あふれる光景を見ることができるとは――。かつての「駅そば」を知る身としては、感慨もひとしおだ。

【メニュー】
・天ぷらレジェンド
・ねっぷそば
・かけそば
・お土産蕎麦

ここはやはり、かつての音威子府そばを彷彿とさせる「天ぷらレジェンド」を注文することにした。

容器はプラスチック製なので、車内へ持ち込んで食べることもできる。普通列車「名寄行き」が到着すると、乗客たちが次々と駅そばを注文していく。どうやら車内で食べる人が多いようで、この列車の到着時は、列車持ち込みの注文が優先されるようだ。店主の方からは、こちらが恐縮してしまうほど「すみません、ちょっと待ってくださいね」と何度も声をかけていただいた。しかし、私は15時29分発の上り「サロベツ4号」に乗る予定なので、まったく急ぐ必要はない。むしろ、こうして忙しそうに駅そばを作っている様子を眺めているのも楽しい時間である。駅そばはファストフードなのだ。この姿こそが駅そばである。やがて名寄行きの普通列車が発車時刻を迎えると、駅そばを手にした人たちが次々と列車へ戻っていく。さながら、駅そば列車とでも呼びたくなるような光景になったことだろう。なお、事前に連絡しておくことでスムーズに受け取ることも出来るようだ。

このそばをご覧あれ。黒い蕎麦に濃いめのつゆ、そして丸い天ぷら。まさに、かつての音威子府駅そばを忠実に再現した一杯である。そこには、先代への深いリスペクトがぎゅっと詰まっている。早速食べてみると、出汁の風味もよく、蕎麦にはしっかりとしたコシがある。これは実に美味しい。正直なところ、私の記憶では、先代の音威子府駅そばよりも美味しく感じた。かつての味を再現するだけでなく、そこに新たな美味しさを加えた一杯。復活した音威子府そばに感謝である。これは記念に食べにくる人だけでなく、リピーターもどんどん獲得するに違いない。

美味しかったので、さらにもう一杯。今度は「ねっぷそば」を注文した。
蕎麦の上にどんと乗っているのは、巨大な麩(ふ)。「しっかりと汁につけて、十分に染み込ませてから食べてくださいね」とのことなので、言われたとおり、つゆをたっぷり吸わせてからいただく。これがまた、素晴らしく美味しい。昆布だしの効いたつゆをたっぷり吸い込んだ麩は、噛むと汁の旨味が口の中に広がる。
もちろん、蕎麦や卵、ネギとの相性も抜群。先ほどの「天ぷらレジェンド」とはまた違った美味しさを楽しむことができた。
兜沼でたくさん歩いたせいか、このときはかなり空腹だった。おかげで、駅そばを二杯も存分に堪能することができた。

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なお、こちらが先代のときの黒い駅そば。復活したそばは、かつての蕎麦を忠実に表現していることがわかる。

ところ変わって、こちらの写真は東京の四ツ谷三丁目にある、音威子府TOKYOのそば。こちらも超絶美味しいので、おススメである。こちらのご主人は畠山製麺が廃業したあと、千葉の業者さんに依頼して特別にこの黒い麺を作ってもらっている。汁もスーパー美味しく、完飲したほどである。天ぷらも先代の音威子府駅そばを忠実に再現している。
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13:16の列車発車後は、空いてくるかなと思っていたのだが、ひっきりなしにお客さんがやってくる。私が駅を出るまで客足が途絶えることは無かった。

音威子府駅は、近代的な大きな木造駅舎。清潔感があり過ごしやすい。

次のサロベツ4号まで、まだ時間の余裕がある。そこでGelateria the Green Grass(ジェラテリア・ザ・グリーングラス)というお店のジェラートを買いに行ってみることにした。こちらは音威子府村唯一の牧場である「明徳牧場」直営のお店だ。

注文したのは、「バニラ」と「ストラッチャテッラ」のダブル。これが実に美味しい。特におすすめしたいのがバニラ。スッキリとした味わいながら、しっかりとした深みもある。これまで食べたジェラートの中でも、ダントツに美味しいと感じた。音威子府駅を訪れたなら、ぜひこちらのジェラートも味わっていただきたい。お店は駅から徒歩5分ほど。駅そばを楽しんだ後のデザートにもぴったりである。

最後に道の駅に併設された、セイコーマートでコーヒーを頂く。ジェラートの後に飲むコーヒーは格別だ。

駅へ戻り、改札が始まるまでしばし休憩。駅そば店の営業が終わると、さっきまでの賑わいが嘘のように、待合室は静まり返っている。やがて、列車を待つ乗客たちがぽつぽつと集まり、それぞれ思い思いに時間を過ごしていた。

音威子府は、普通列車の始発、終着駅にもなっており、また全ての特急列車が止まるので、比較的本数が多い。

行先とのりばの案内は、木製の表示板。木工工芸が有名な音威子府らしさのある表示板である。この駅は駅員が配置されており、みどりの窓口も営業している。

跨線橋から駅構内を眺めると、改めてその広大さがよく分かる。広々とした構内には、かつて天北線が分岐していた主要駅としての面影が今も残っている。通常、駅舎に近い1番線は特急列車の発着に使われることが多いのだが、音威子府駅では1番線の有効長が短いため、特急列車は2番線または3番線に発着する。そのおかげで、普通列車の乗客にとっては駅そばへのアクセスがしやすい。列車が停車している間にホームから駅そば店へ向かい、蕎麦を買って再び列車へ戻ることもできる。音威子府駅ならではの、ありがたい構造である。

こちらは旭川方の構内。分岐が多く多くの車両を留置できるようになっている。奥に見えるのはスキー場。音威子府村はスキーも盛んで、アルペンスキーの「音威富士大回転競技大会」と、クロスカントリースキーの「クロスカントリー音威子府大会」が毎年開かれている。

大きな屋根のあるホームでサロベツ号の入線を待つ。そば、ジェラート、コーヒーとお腹も心も満たされながら、列車を迎える贅沢なひとときを味わうことができた。

サロベツ4号は定刻通りやってきた。名寄で下車するまでしばし特急の車内で寛ぎの時間。次の目的地は瑞穂駅である。



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