2021年11月23日火曜日

銚子口駅

[路線] JR北海道 函館本線(砂原線)
[隣駅]   流山温泉(1.2km)←銚子口→(7.8km)鹿部
kmは営業キロ
[位置] 北海道亀田郡七飯町字東大沼

※2022年3月12日を以て廃止されました。

道南5駅の訪問の旅、3つ目は銚子口駅である。交換設備があり、小綺麗で落ち着いた外観が特徴の待合室がある。20両編成の貨物列車との行き違いがあるだけに構内はとても広い。

銚子口駅は大沼の北東端付近に位置している。主要道路から離れた閑静な駅である。

本石倉駅から乗車した上り函館行きは内浦湾に沿って南下する。特に石谷駅から森駅にかけては国道が山側、線路が海側となり、海のみが広がる秀逸な車窓を堪能できる。

列車はガラガラで乗客は自分を含めて5名。全員が旅行者と見受けられる。贅沢なキハ40の旅を再開した。

ここで遅めの昼食をとることにした。往路に森駅で買った阿部商店の「いかめし」。久々のいかめしに胸を躍らせながら開封する。

小ぶりの折箱にピッタリと収まった2つのいかめし。それ以外は無し!これほど潔くシンプルな駅弁は見たことがない。しかし、その味わいは実に奥深い。

中に詰められたお米には秘伝のタレがしみこんでおり、最高に美味しい。これを函館本線でキハ40の青ボックスシートに揺られ、車窓を楽しみながら食べる。何と幸せなことだろうか!京王百貨店の駅弁大会でも
この駅弁を買ったこともあり、それも間違いなく美味しかったのだが、ご当地で食べると気分が盛り上がることもあって一層美味しく感じられる。小さい頃イカの香りが苦手であった自分は、イカ料理全般を避けていた。ところが駅弁のいかめしだけは食指を伸ばしたくなり、しかも食べ見ると全く苦手さを感じることもなく、むしろ美味しく食べられたのであった。以来苦手であったはずのイカを好きになり、好んで食べるまでになった。私が好きになるきっかけを与えてくれたのがこの「いかめし」である。

森駅から男性地元客1名、鉄人4名が乗車し、合計10名の乗客でキハ40の車内は少々活気づいた。さらに東森駅からは1名の女性地元客が乗車した。砂原線に入り列車右手には駒ヶ岳が近づいてくる。地元客2名は渡島砂原で降り、そこからは鉄人オンリーの車内となった。

道南を代表する秘境駅、渡島沼尻に到着。以前訪問したときと変わらず、古めかしい駅舎が残っていた。

鹿部駅を出ると、つぎは目的地の銚子口駅である。

前方デッキで降りる準備をしていると、銚子口駅を示す標識が見えてきた。

大きく左にカーブを曲がりきるとそこに銚子口駅の構内が広がっていた。構内は一線スルー式で列車は分岐器を直進して構内へと進入した。

石谷駅からご一緒させて頂いたチバさん(仮称)と会釈してお別れし、銚子口駅へ下車した。下車は自分を含め鉄人4名で、乗車客はいなかった。駅で到着の風景を撮影する鉄人もおり、週末の銚子口は賑やかな時間を迎えていた。

程なくして下り長万部行きがやってきた。交換設備のある駅ならば交換風景を見たいもので、図らずも列車交換の場面に遭遇できて良かった。

お互いが対向状態で顔を合わせる。SL時代は構内踏切を介してタブレット交換が行われていたのだろう。

先に函館行きが発車し、続いて長万部行きが発車。

長万部行きが構内を抜け、本線を走り去っていった。キハ40はここから森駅へ向けて緩勾配を下りていく。

銚子口駅の構内踏切は遮断機が無いタイプ。定期の特急列車の走らない砂原線では十分な設備なのだろう。

ホーローの縦書き駅名板、横書きの駅名板、名所案内の3兄弟。

名所案内には駒ヶ岳と東大沼温泉が記載されていた。東大沼温泉は2020年11月に閉館してしまったようだ。旅館のHPは更新されていないものの2021年11月23日現在も残っており、復活の可能性があるのでは?と勘ぐってしまう。

2番線には駅舎と逆側へと出られる出口があった。大沼多目的グラウンドや水芭蕉群生地へ行く場合はこちらを利用すると便利なはず。

1番線の縦書きホーロー駅名板を眺める。木製電柱とホーロー駅名板の色合いが似合うこと!

銚子口駅の駅舎はとても綺麗な外観で、太陽を浴びて外壁が輝くくらいの状態であった。

駅舎内の待合室へ入る。4連1組のプラベンチが向かい合う形で2組置いてあった。駅舎の6割ほどは保線関係で使用されているらしく、待合室スペースはそこまで広くない。

待合室内は掃除が行き届いていて、大変過ごしやすい。

銚子口駅の運賃表。

こちらは発車時刻表。列車は朝夕に集中して、夜間もちらりほらり。一日に2回、6:54と15:31に旅客列車同士の行き違いがある。

駅舎から15mほどの離れにあるのは恐らくトイレ。

駅の名所案内に駒ヶ岳の記載があるように、銚子口駅は渡島駒ヶ岳と近い。駅舎の右側、線路越しにあるのが駒ヶ岳である。銚子口からの登山道もあったようだが、現在は閉鎖されている。

駅の入り口にはヘビ注意!の掲示。自然に囲まれた駅だけあって、ヘビが出てくることもあるのだろう。

駅前は路線バスでも入れそうなくらい広々としている。このスペースには、かつて大沼電鉄が発着していたらしい。

駅前には民家が数軒あり、一般的なローカル駅の様相である。主要道路から離れた駅なので、非常に閑静である。

銚子口駅からは自力(徒歩)で次の目的地、流山温泉駅へと向かう。木々に囲まれた道を歩いて行くのはとても心地よい。

函館方へ400mほど進んで線路を渡る。森の緑と相まってとても雰囲気の良い踏切であった。

最後に踏切から銚子口駅を望む。貨物列車が多数走る路線だけあり、路盤がしっかりしていて、今にもDF200が走ってきそうな線路である。出発信号は1番線と2番線の両方にあるので、2番線からも函館方面へと出発できる構造のようだ。

次は流山温泉駅から列車に乗車する。
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