函館本線 渡島沼尻(おしまぬまじり)駅は古くからの木造駅舎が残る魅力的な駅である。駅の周囲には神社と数軒の民家があるだけで、とても静かな環境である。古い木造駅舎、静けさ、周囲の人工物の少なさ、交換設備有、と私の好きな要素が揃った駅だ。
函館~森の区間では普通列車の数自体は少なくないが、大沼公園を通る本線経由の列車があるため、この駅への列車は限られる。私が訪問した当時で、朝の数本が停車したあと、次に来るのは15時台であった。
函館からの普通列車は間もなく渡島沼尻へと到着する。
木造駅舎が見え、気分が高ぶる。
草むす待避線を進みホームへと近づいていく。
降りたのは私1人であったが、地元の高校生と思しき方が1人乗車された。
列車は対向列車と交換することなく、発車していった。
キハ40は長い構内を抜け、本線へと向かっていく。
キハ40は長い構内を抜け、本線へと向かっていく。
限られたスペースには4つほどのプラベンチが並んでいる。
待合室の奥には駅ノートが置いてある。
待合室から見えるのはガランとした駅前の風景。
こちらの建物はトイレ。
駅舎の他スペースは、保線作業の関係の詰所的な役割を担っているようだ。
だんだんと晴れ間が広がってきた。明るい陽の光を浴びた木造駅舎を撮影できるとはラッキーなことこのうえない。屋根の錆び具合が駅舎の長い年月を強調しているかのようだ。
駅から道路に出ると、神社と4件ほどの民家がある。
道路を走る車がほとんど来ないこともあり、とても静かである。
神社のお参りをする。
境内は良く整備されていた。
境内の一角には開拓会館という建物がある。
地域の集会所的な役割なのだろうか。
駅への入口は木々に囲まれている。
青空の広がった清々しい雰囲気のなか、
2番線の短いホームが佇んでいる。
構内踏切の先には駅の裏手へ続く小径があるので、こちらを探訪してみる。
草むす道を進んでいくと、前が開けてきた。
景色が開けた先には1件の民家があった。駅への小径は、こちらに住む方が駅の行き来やその先の神社、集会所へ向かうときに利用するのかもしれない。
小径を駅へと戻る。この先に駅があるとは思えな景色だ。
駅へ戻ると、貨物列車がやってきた。砂原線は森駅から大沼駅へ向けて緩勾配であるため、上り貨物列車は全て渡島沼尻駅を通って五稜郭へと向かっていく。
貨物列車が駅を通過する。1番線が本線扱いと見えて、2番線の線路と比べると、コンクリート枕木かつ線路規格が高いようだ。
乗車する上り普通列車が来るまで駅舎の撮影にいそしむ。
木造駅舎を被写体とすると、もっと良いアングルがあるのでは無いかとあれこれ試行錯誤をするため、あっという間に時間が過ぎてしまう。
駅の表情は陽のあたり方で時々刻々と変わっていく。
1番線にて列車の到着を待つ。
駅から見た函館側の景色もまた良い。
ホームの端には丸々と太ったトカゲが歩いていた。
しっぽが完璧に残っていて、たくましさを感じる。
やがて踏切が鳴り出し、列車の接近が告げられる。
やってきた普通列車はキハ40単行。乗車したのは私1人であったが、対照的に車内は驚くほど混んでいた。