伊勢神宮で20年に1回執り行われる式年遷宮。特急「しまかぜ」は2013年の遷宮に合わせて登場した近鉄の観光特急である。秀逸な外観もさることながら、快適性を追求した車内設備の充実さが群を抜いて素晴らしく、高い人気を誇る列車である。今回は幸運にも京都駅から鳥羽駅まで最前列シート(1号車9A席)を予約することが出来たので、前面展望を楽しみながらの旅となった。
特筆すべきはカフェカーがあることで、漆器や陶器などの食器によそられた暖かい食事を車内でとることが出来る。定期列車の食堂車が衰亡した今、しまかぜのカフェカーは貴重な存在である。
0:12 発車
1:35 東寺通過
2:11 十条通過
2:48 ビスタカーすれ違い
大和八木駅到着。ここで乗務員交代となる。
近鉄大阪線に入ると、名張へ向けて山道をゆく。
至る所に急勾配があり、険しさを実感できる。
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ここで座席の紹介
特筆すべきはカフェカーがあることで、漆器や陶器などの食器によそられた暖かい食事を車内でとることが出来る。定期列車の食堂車が衰亡した今、しまかぜのカフェカーは貴重な存在である。
カフェカーのアテンダントさん達。
ブログへの掲載を快く許可して下さり、
笑顔で撮影に応じて頂いた。
近鉄京都駅1番線は大都会の駅らしくカフェやコンビニなどが並ぶ。それぞれの店が個性に主張しあうというよりは、駅の雰囲気に合わせたような店構えといったところで、構内の景観はとても良い。
1番線の行き先表示にはしまかぜの表示が出ている。
列車の入線時刻が迫ってきたようだ。
いよいよ、しまかぜが入線してきた。
秀逸なデザインは他の特急車両と一線を画していると思う。
列車アテンダントさんは礼をしながら
列車を迎えておられた。
車体の側面にはさわやかな風を思わせる
しまかぜのロゴが入っている。
Premium Expressとあるように、
料金・設備ともに通常の特急とは異なるものである。
こちらが先頭車最前列付近の車内風景。
運転席のガラス窓はフレームが目立つように見えるが、
実際には十分に前面展望を楽しめる。
こちらが1号車1番9A席からの前面展望。
かぶりつきシートとも呼べる魅力的な座席である。
発車前のカフェカーでは車内サービスの準備が進んでいた。
アテンダントさんに許可を頂いてカフェカーの2階席を撮影させてもらう。ここで車窓を眺めながらの食事ができる。
テーブルは1階にもあり
多くの乗客が飲食をとれるようになっている。
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しまかぜが賢島へ向けて発車する。
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しまかぜが賢島へ向けて発車する。
0:12 発車
1:35 東寺通過
2:11 十条通過
2:48 ビスタカーすれ違い
列車は澱川(よどがわ)橋梁で宇治川を越え、
南へと進んでいく。
大和西大寺駅へ停車。この駅は奈良線、京都線、橿原線が平面で交差するだけでなく、車庫もあるため、線路の交差数が凄まじく多いことで有名である。この写真で見てもその凄さが分かると思う。
大和西大寺駅を出発し多数のポイントを渡っていく、しまかぜの前面展望(0:47)
大和八木駅の手前でしまかぜは近鉄大阪線に転線するため、ゆっくりとした速度で新ノ口連絡線に入る。この線路は特急列車と回送列車などの限られた列車しか使用せず、しかも速度もあまり出さないためか、木の枕木が使用されていた。
至る所に急勾配があり、険しさを実感できる。
線路脇の勾配標には33.3‰(3.33%)の表示がある。鉄道にとってはきつい上り坂だ。架線柱には「セ」「砂」の標識があり、空転防止を促しているようだ。「セ」は車輪空転時に、車輪と線路の接点にセラミック粉末を噴射する装置のことではないかと思う。
さて、忘れてはならないのが、カフェカーでの食事。こちらは「松坂牛重」。お肉のクオリティが高く、実に美味しい。
こちらは「あおさとカキのにゅう麺」と「伊勢海老風味 みそ汁」。ダシが素晴らしく効いていて、これもまた美味である。これらメニューを食べるべく、今朝は朝食を抜きにした。流石に牛重と合わせて満腹度120%となったが、それでも美味しいと感じたので、良い味なのだろうと思う。車中で暖かい食事をとることが出来る幸せをか噛みしめながら楽しんだ。
座席に戻ってから、しばらくしてコーヒーが飲みたくなり、車内販売にきたアテンダントさんにアイスコーヒーの注文をお願いした。コーヒーは倒れないように工夫がしてある。
近鉄大阪線は名阪特急や伊勢志摩方面への特急が走る特急街道で、様々な列車とすれ違う。こちらは21000系列電車アーバンライナーplus。
22000系列電車Ace。
12000系列電車。12000系そのものは引退済みのようで、この車両はマイナーチェンジして登場した系列のようだ。12400系サニーカーだろうか。
運転席は開放的であるためか、日当たりが良い。運転士さんが暑いのではないかとも思えたが、wikiを見ると赤外線・紫外線を遮断するガラスが使われおり、その辺の対策がなされているようだ。
それにしても線路が標準軌というのは実に広く感じる。
日本でいう通常の軌道幅より約35cmも大きい。
なんだか安定性も高いように感じられてしまう。
列車は青山トンネルを抜け、三重県へと入った。
伊勢中川手前のデルタ線が見える。
左に分岐するのは名古屋方面への短絡線である。
これは30000系ビスタカーだろうか。
近鉄特急の2F建車両には是非とも乗ってみたい。
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ここで座席の紹介
車内にはレザーの3列シートが並ぶ。
JRでいえばグリーン車の車内である。
シートは前後空間が広くとられ、
非常にゆったりとしている。
床面の高いハイデッカー仕様となっており、
このシートから去りゆく景色を存分に味わうことができる。
座席は単なるリクライニングシートではなく、
マッサージ機能までついている。
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列車は普通列車を追い越しつつ、
特急として快走していく。
宇治山田から鳥羽の区間では、
130km/h近い速度での走行を見せた。
池の浦駅を過ぎて海が見えてくると
間もなく鳥羽に到着である。
鳥羽駅へ到着した京都発しまかぜ号。
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特急として快走していく。
130km/h近い速度での走行を見せた。
間もなく鳥羽に到着である。
2時間15分があっという間に感じるほど、快適で楽しい乗車であった。次回乗るときは、鳥羽~賢島の乗車や、カフェカーでカレーなども試してみたい。