宗谷本線南幌延駅は日本最北の板張りホーム駅である。駅は牧草地に囲まれ周囲には数軒の家があるだけで、閑静な雰囲気がとても良い。ホームを降りた先にあるのは、一見待合室には見えない木造待合室。白く塗られた薄い鉄板を外壁に釘付けしてある点、独特の外観となっている。
冷気に包まれた冬の南幌延駅が佇む。
この日は寒く、素手でしばらくの間カメラを持っていると、
手先が痛むほどであった。
南幌延駅は上幌延駅と安牛駅の中間に位置する。
列車と自力移動を組み合わせれば前後の駅を効率良く巡ることができる。
上り列車でやってきた。
目指す南幌延駅は幌延から二駅ほどだ。
私を下ろした列車がエンジンを震わせて発車していく。
下車したのは私一人。乗車した客はいなかった。
列車はカタコトと音を立てて走り去っていく。
ホームの全景。
木造の薄いホームが周囲の風景に良く溶け込んでいる。
安牛に向かって真っ直ぐ進む線路。
ホームから名寄方を眺める。
右側にある道路の交通量が少ないせいか、
静寂に包まれた時間を過ごすことができた。
こちらは稚内方の風景。
駅前の踏切を渡る車は非常に少ない。
南幌延の駅名板は、少々首をかしげた状態となっている。
こちらが駅の待合室。
一見待合室かどうか判別に迷うため、
扉を開けるのに躊躇してしまう。
待合室の中には年季の入った木製ベンチがある。
扉の立て付けが少々悪く、雪が入ってしまっていた。
ローカル駅には欠かせない駅ノート。
たくさんの書き込みがあり、私も一筆記録を残した。
待合室のドアを空けた状態。
壁には南上幌という文字がポツンと書いてある。
駅前には、一軒の人家と上幌延集会所がある。
板張りのホームを横から見てみる。
厚さ2cmほどの板が4本のはりで支えられている。
やがて稚内行きの下り列車がやってきた。
この列車で南幌延駅を後にした。
滞在時間は短かったものの、南幌延駅の
魅力を堪能することができた。
季節は変わりこちらは、夏期の南幌延駅。
このときは上幌延駅から自力で安牛駅へと向かう途中、
南幌延に立ち寄った。
晴れた日に太陽に照らされた板張りホームも良いものである。
冬とは違った魅力がある。
ホームへ上がってみると、板が一部張り替えられていた。
しっかりと維持管理が行われていて、嬉しくなる。
稚内方を見ると、待合室が目に入る。
待合室へ近づいてみる。
何とドアが新しいものへと交換されているではないか!
ご覧のとおり、ドアがちゃんと閉まる。
これで雪が入り込むことも無いだろう。
今後もこの駅が活用されていくことを期待させる投資である。
駅ノートをめくり、以前自分が書き込んだ記録を見て懐かしむ。
待合室の木製ベンチには (グリーン座席指定)と書いてある。
久々に来た南幌延駅に満足し、安牛駅へと足を向けた。
これからも旅人を惹きつける存在であって欲しいと思う。