北海道幌延町は自治体別で秘境駅数No.1という、駅巡り愛好者の聖地のようなところである。物置待合室で有名な糠南駅、日本最北の板張りホームの南幌延駅、木造駅舎のある雄信内駅、ボロボロの車掌車待合室のある安牛駅は幌延町にある。夕日の美しいパンケ沼へアクセスできる下沼駅もその一つ。残るは上幌延駅と問寒別駅である。上記5駅と比較すると、上幌延駅は個性の点で弱いかもしれない。しかし、車掌車待合室と、静かな環境という点では十二分の良さがある。
※2021年3月13日を以て廃止されました。
傾いた駅名票にホーローの縦書き駅名板。
こちらが上幌延駅の車掌車待合室。待合室の入り口には盛り砂利と舗装がしてあり、利用者への配慮がされている。
元車掌車の窓枠にはリベットが打たれている。古い車掌車なのだろうが、一部の塗装が剥がれて錆がある他は、比較的良い状態のようだ。
待合室には長いす1台が置いてあり、そこには駅ノートが置かれていた。私も記念に一筆書き残した。将来の再訪時に自分の書き込みを見つけ、懐かしい思いに浸ろうと考えていたのだが、上幌延駅は2021年3月で廃止の見込となり、再訪は適わなそうである。残念。
駅前には民家が1件あるのみである。2車線道路が交差していることもあり、秘境感はないのだが車の往来は限られていて、比較的静かな環境である。
次の列車までしばらく時間があるので、この駅から自力移動で安牛駅まで移動する。最後に上幌延駅を振り返って写真に収めた。