宗谷本線安牛(やすうし)駅は雄信内駅と南幌延駅の間に位置する棒線駅である。安牛駅の駅前には家一軒なく、見事なまでに何もない状態となっている。秘境駅探訪で有名な牛山隆信さんの訪問記を拝見すると、2000年12月末日の時点では家屋があったようだ。時を経て人はこの土地を離れてしまい、駅だけが残った。けれども、利用客はちゃんといるようで、NHK札幌の無人駅探訪(2016年3月放送)によれば、1名の定期利用客がいるそうだ。宗谷本線安牛駅は、今日も地域の足を支えている。
※2021年3月13日を以て廃止されました。
砂利タイプのホームに車掌車改造の待合室と、
北海道のローカル駅では良く見かける組み合わせだ。
個人的に、車掌車の待合室は木造タイプの次に好きである。
安牛駅の周辺は平坦な地勢で、天塩川の三日月湖が点在する。
周りには牧草地が広がる地域である。
駅へのアクセス道路から待合室を望む。
このときは上幌延から自力でやってきたので、
駅が見えたときは一際嬉しかった。
待合室を背に駅前を眺める。
駅の前に家屋は一切ない。
駅へのアプローチ道路は300mほどで終わり、
道道256号線に合流する。
合流地点そばには開進集会所があり、
幌延町の避難所となっている。
敷地の一角にはプレハブの建物が置かれ、
何人かが利用しているようだった。
塗膜がボロボロになってしまった待合室。
長年の紫外線と風雪の厳しさによるものだろう。
塗膜の劣化は著しいとはいえ、全く手が加われていないわけではないようで、
交換されたばかりに見える真新しい通気口がその存在をアピールしていた。
庇となる屋根には端部に穴が空いてしまっていた。
待合室の中は大変綺麗に保持されていた。
長いすの奥に見えるのは駅ノートである。
駅ノートにはたくさんの書き込みがあり、
旅人達の安牛駅に対する熱い思いが刻まれていた。
安牛駅のお隣は雄信内駅と南幌延駅、雄信内のさらに隣には
糠南駅があるなど、魅力のある駅が多い地域である。
安牛駅と併せてこれらの駅に訪問したい。
糠南駅があるなど、魅力のある駅が多い地域である。
安牛駅と併せてこれらの駅に訪問したい。
車掌車待合室のデッキより、稚内方を見る。
デッキの仕切り板下部は腐食で穴があいてしまっている。
デッキの仕切り板下部は腐食で穴があいてしまっている。
線路側の外板の状態は逆側と比較すると良好である。
安牛駅の文字はペンキで書かれているようで、
ステッカーでないところが何だか嬉しい。
安牛駅の文字はペンキで書かれているようで、
ステッカーでないところが何だか嬉しい。
列車を待つ間にスーパー宗谷がやってきた。
北を目指し、急ぎ走り去っていく。
特急列車と安牛駅、
それぞれの時間の流れは全く異なっているようだ。
特急列車と安牛駅、
それぞれの時間の流れは全く異なっているようだ。
やがて名寄行きのキハ54がやってきた。
そろりそろりと駅へ向けて減速してくる。
この列車で安牛駅を後にした。
緑に囲まれた夏の雰囲気を堪能できたので、
今度は季節を変え、冬に訪問してみたいと思う。