2019年11月29日金曜日

長万部温泉 丸金旅館

函館本線長万部駅裏手には小規模の旅館やホテルが並ぶこぢんまりとした温泉街がある。大型観光バスが多数並ぶような場所ではなく、一人旅でも身構えることなく利用できる。その中の一つ、丸金旅館にはこれまで2度お世話になってきた。温泉や食事があまりに素晴らしく、自分が道南の宿泊を検討する際は、一にも二にも丸金旅館である。

長万部温泉街は駅近くの跨線橋を渡れば徒歩10分ほどでアクセスできる。この跨線橋は駅を発着する様々な列車を見られるので、ここを渡ってアクセスするのがオススメ。駅までの送迎を頼むことも可能だ。

温泉は、昭和30年2月12日に天然ガス試掘の際にガスと共に湧出したのだそうだ。それを示す石碑は温泉街の真ん中にある。

旅館へ着くと、まず部屋へ案内される。部屋には昔ながらの調度品が備えられ、畳の上でくつろげる。座布団に座って、お茶を飲むと移動の疲れを忘れてしまう。

宿泊名簿は部屋で書く。荷物を置き、座布団に座りながら書けるのが何だか新鮮な経験であった。

浴衣とタオルは衣装盆に備えてある。

窓を開けると、目の前には「おしゃまんべ温泉ホテル」がある。その先には函館本線と室蘭本線の線路があり、ここを通過する列車を遠望することもできる。


夕食は何と部屋食!大きな座卓に広がった一品一品はどれもが魅力的でどこから箸をつけて良いか迷ってしまう。何とも贅沢な一時。


ウニ、イカやマグロの刺身、貝類などが並んだ海産物の一皿。ウニは北海道産、マグロは内浦湾で取れたものだそうだ。


生ウニ

天ぷら、煮豚、ウニの乗った豆腐


ホタテのチーズ焼き、イカの塩辛


もずく酢、ローストビーフ


御飯、茶碗蒸し

鍋には赤魚、豆腐、ネギなど。
以上が基本の夕食である。これだけでも食べきれないくらいの量で大満足。

オプションでつけてもらった内浦湾産の毛ガニ。カニ味噌も含めて味わいは深い。長万部に泊まる際には是非とも食べたい一品である。

デザートとして、プリンが付いていたと思う。写真を撮り忘れてしまった。

さらに写真には撮らなかったが、温泉も素晴らしく、24時間入れて、源泉掛け流し、露天ありと三拍子そろっている。

この宿を足がかりとした、函館本線山線キハ40の旅静狩駅訪問はとても良い旅の思い出である。長万部へ行くなら次も丸金旅館さんへお世話になるだろう。


2019年11月10日日曜日

札比内駅

札比内(さっぴない)駅は、JR北海道 札沼線 非電化区間にある無人駅の一つ。ここの特徴は簡易委託駅として切符の販売が行われていることで、駅前の薬屋さんで買うことができる。日あたり乗車人員10人を下回る駅で切符を買えるのは貴重である。札比内駅へ行く機会があれば、記念に購入しては如何だろうか。

※2020年5月7日(最終営業は同年4月17日)を以て廃止されました。


石狩月形から新十津川方面へ向かうと札沼線は一つの丘を登る。丘の頂点にあるのが豊ヶ岡駅で、そこから坂を下りきると札比内駅がある。

石狩金沢駅から乗車した浦臼行きは、間もなく札比内駅へと到着する。さて、どんな駅が待っているのだろう?

キハ40の貫通路ごしに札比内駅のホームが見えてきた。この列車の着発をビデオ撮影している方がおられた。この駅を含む区間の廃止が決定している今、この鉄道風景を記録に残しておく人は増えているのだろう。

キハ40 402は私一人を札比内駅で降ろし、浦臼へ向けて発車していった。

ホームには砂利が敷き詰められている。札沼線に多いタイプだ。

駅の裏手は畑が広がっていて、ホーム上から長閑な風景を得られる。

お隣は豊ヶ岡と晩生内(おそきない)。この後晩生内駅まで自力移動(折り畳み自転車)で移動する予定である。


スレンダーなホームが一面あるのみの構内。手前側のスペースはかつて貨物の積み卸しに使われていたようだ。


ホームの先端から先には草木がなく、利用客は真横から線路をそのまま見ることができる。線路は細く、道床はとても薄い。


駅舎への入り口には古びた木製のラッチが残っていた。


ラッチから眺める札比内駅のホーム。昔は手前側スペースにあったであろう線路を貨車が行き来していたのかもしれない。




駅舎内には窓口が残っていた。嬉しいのは板で塞がれていないことで、人が入ればすぐにでも切符の販売が出来そうな雰囲気である。


木製の台と縦長の小さな窓口。札比内駅では切符の販売が委託されていて、駅前の薬局で買うことが出来る。この窓口を使用しての販売はされていないのだが、簡易委託駅ということで窓口を使う余地を残しているのかもしれない。


札比内~豊ヶ岡発売中とのことで、鉄人向けの切符が宣伝されている。実際は豊ヶ岡以外の切符も買えるのだろうか。


駅舎内には古めかしい木製ベンチが置いてある。行き届いた清掃がされていて、駅舎内はとても綺麗であった。


掲示板の前にある棚には駅ノートが備えられていた。この駅ノートをめくると、「渋谷薬店はお店が閉まっていても横の入り口が開いていれば切符を売ってくれるときがある」との書き込みに目が止まった。ならば後ほど行ってみよう。


窓は二重構造で、内側は元々あったであろう木枠の窓。さらに外側はアルミサッシとなっていて、保温性に優れた待合室である。


札比内駅の運賃表。この駅は北海道医療大学から新十津川の区間でほぼ中間に位置する。

こちらが駅前にある渋谷薬店。のれんが建物の中にしまわれていて、営業している気配はない。そこで先ほどの駅ノートの書き込みを思い出し、横の扉に手を掛けてみると、果たしてその扉は開いた。


そして、札比内駅から豊ヶ岡駅への切符を買うことができた。切符を買えるとは思っていなかったので実に嬉しい。小さな文字で「簡□札比内駅発行」となっていて、現地で買った記念になる。

切符を大切にカバンへしまい、自力移動(折り畳み自転車)で晩生内駅へと向かった。



2019年10月25日金曜日

石狩金沢駅

石狩金沢駅は、札沼線非電化区間に入って一駅目にある無人駅。昭和28年に製造された車掌車を改造した小さな待合室がある。

※2020年5月7日(最終営業は同年4月17日)を以て廃止されました。


石狩金沢駅は国道275号線沿いにありながらも、駅舎は国道と逆側。利用者の民家は国道と逆側に点在しているのだろう。近くにはふくろうの湯という温泉があり、魅力的な場所である。

知来乙駅から乗車したキハ40 400番台2両編成の石狩当別行きは間もなく石狩金沢駅へ到着する。

小さな踏切の先に石狩金沢駅が近いことを示す黄色い駅名標識が現れた。さてどんな駅なのだろう?

列車は速度を落とし、駅構内へ入る。砂利ホームと車掌車待合室のコンビからなる典型的な北海道のローカル駅のようだ。

下車したのは私一人であった。

30秒ほどの停車の後、2両編成の石狩当別行きは石狩金沢駅を後にした。石狩金沢駅の待合室は地面の高さにあるので、ここから列車の下回りを含めて写真を撮ることが出来た。

お隣の北海道医療大学駅へ向けて、エンジンを吹かせていく。2両編成は石狩当別駅到着後に分割され、後ろ側の402番は折り返しの浦臼行き、先頭の401番は、その後の折り返し新十津川行きとなる。

石狩金沢駅のホームから新十津川方面を眺めてみる。まわりに人工物は少なく、緑が多い。

駅名標は札沼線ならではの庇付き。「ほっかいどういりょうだいがく」のステッカーは1981年に北海道医療大学が開業したときに貼られたと思われる。北海道医療大学駅は驚いたことに仮乗降場として開業したそうで、wikiを見ると現在の日平均乗車数は1,700人(2014年)とのこと。今は電化までされていて、仮乗降場出自の駅としては最も発展した駅ではなかろうか。

ホームの駅舎側は砂利が盛られただけになっている。札沼線には良くあるホーム形態で、これを見ると土砂降りの雨などで肩が崩れないかと素人ながらに思うのだが、そうならないような工夫があるのだろう。

待合室の横には駅名標が立っている。この駅名標、なんだか普段と違う雰囲気があるなと見ていると、平仮名が使われていないことに気づいた。このような駅名標はここで見るのが初である。

車掌車のテールライトは片側だけ残っていた。近くで見ると実に大きい。

車掌車待合室には、東京 日本車輌 昭和29年という銘板があった。これだけ古い車掌車待合室は貴重かもしれない。

出入り口となるデッキは木製のまま。


待合室は、白く化粧された板で覆われている。窓際の塗装の剥がれ具合が経年を表しているかのようだ。


窓と窓の間には、フックに掛けられた駅ノートがある。ローカル駅には無くてはならないもの。駅への様々な思いが書かれていて、とても面白い。

天井が低いせいか、蛍光灯には格子がついていた。室内に保管されているスノーダンプなどは取っ手が長く、ふとした拍子に蛍光灯に当たってもおかしくない。


下り7本、上り8本の列車がやってくる。廃止予定の区間としては比較的多い方ではなかろうか。


待合室を出て駅前を探検してみると、まずは目につくのがこの小さな小屋。ケーブルハウス札幌信号通信区とあり、札沼線の信号関係施設のようだ。車掌車待合室の前にはコンクリートの基礎があるので、昔の駅舎の位置とサイズが想像できる。当時は車掌車待合室の場所に線路があり、その前に木造駅舎があったのだろう。


駅前には数軒の民家が道路に沿って並んでいる。

駅前道路の突き当たりは日帰り温泉の入り口となっていた。

温泉の名は開拓ふくろふ乃湯。源泉掛け流しの温泉とあって、非常に惹かれる。この時は時間の都合上行けなかったのだが、是非とも堪能したかった。

さて列車の時間になり、ホームへ上がるとキハ40 402の浦臼行きがやってきた。

石狩当別駅で相方の401番と切り離され、単行でやってきたキハ40系402番。この列車に乗車して次の目的地、札比内駅を目指す。

乗車直後には運賃表に石狩金沢駅の表示が残っていた。車内は通勤客がそこそこ乗っており、朝らしい列車の様相を見せていた。


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