2019年10月12日土曜日

石狩月形駅


石狩月形駅は札沼線非電化区間において唯一の列車交換設備を備えている。石狩月形から新十津川の区間はスタフ閉塞形式を取っており、この区間には通行証となるスタフを持った列車一本しか入ることが出来ない。そのため、石狩月形駅には駅員が常駐していて、スタフ授受の光景が見られる。北海道でスタフ閉塞が使われているのはこの区間のみである。

※2020年5月7日(最終営業は同年4月17日)を以て廃止されました。

石狩月形駅は北海道樺戸郡月形町にある。札幌から近いため日帰りで十分行ける距離にある。札沼線のほか、岩見沢駅との間に路線バスもあるので、こちらを行程に組み合わせることもできる。


石狩当別駅から最終列車で石狩月形へ向かう。車両は札沼線お馴染みのキハ40 401である。ガラガラの車内でボックスシートでくつろぎながら至福の時間を過ごす。


間もなく、終点の石狩月形へ到着する。乗客は自分のほか、もう一名のみであった。


石狩月形へ到着した最終列車。構内にキハ40のアイドリング音が静かに響いている。


私ともう一人の乗客を降ろして暫くすると、新十津川サイドのテールライトが点灯された。翌朝の上り一番列車となるため、夜間停泊をすると予想したのだが、そうではなく、回送列車として札幌方面へあっさりと発車していった。転線の様子など見られるかと想像していただけに拍子抜けしてしまった。


最終列車を迎え、本日の役目を終えた待合室。駅員配置駅だけあって、ストーブが備えられている。北海道の駅はストーブが有る無しだけで随分と雰囲気が変わるものだ。


この日最後の利用客として駅を後にする。本日の宿泊は月形温泉である。ゆっくりと温泉に浸かるのが楽しみである。


さて、こちらの写真は昼間の駅の様子。この時はお隣の豊ヶ岡駅で下車した後、自力でやってきた。


折しも浦臼駅がやってくるタイミング。改札口には浦臼行き改札中の札が掲げられていた。


スタフを持った駅員氏がホームへと上がる。毎日繰り返されるこの光景も札沼線非電化区間廃止とともに見納めとなってしまう。


やがて浦臼行き普通列車がやってきた。この時は車両運用の都合か、キハ40の400番台(エンジン強化タイプ)でなく、700番台(ノーマルタイプ)が運用されいた。積雪期でなければこのような場合があるのだろう。


スーッとキハ40の独特のブレーキエア音を立てながらゆっくりと到着する。駅員氏は直立不動で列車の到着を迎える。

スタフが運転士さんへと受け渡される。これで列車は石狩月形から先へと入線できる。

スタフの印は□。

4名ほどの乗客を降ろした下り列車が、間もなく発車する。浦臼方面へ向かう乗客は僅かで列車は空いていた。


交換駅らしくポイントの多い構内をゴトゴトと音を立てながら石狩月形を後にする。

昼の待合室も列車到着前後を除けば大変静粛である。窓枠は木製で昔ながらの姿を留めている。

石狩月形駅は駅員配置駅ということで、窓口が現役である。ここでご当地入場券や常備軟券を購入することができる。

札幌までの乗車券を購入。札幌までの料金で最遠は白石や手稲まで行けるようで、両駅が記載された切符となっていた。常備軟券は今となっては貴重である。また、豊ヶ岡駅のご当地入場券もここで購入した。「豊かな林の中に佇む小さな駅」とあるキャッチコピーはじつに共感できる。


晴れ渡る冬の朝、列車交換する401と402の兄弟。
(J氏提供の写真)


駅前には岩見沢行きのバスが停まっている。路線バスは駅との相性が抜群で、実に絵になる。この瞬間とアングルを捉えるJ氏の腕に脱帽。

※J氏撮影の写真(Picture from J氏)の使用、転載はお断りします。


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