2016年12月25日日曜日

上厚内駅

根室本線上厚内駅は、浦幌駅と厚内駅の山間にある交換駅である。昭和28年に建てられた木造駅舎が今も現役であり、風情ある建屋は旅行者に途中下車を促すものである。

※2017年3月4日を以て廃止されました。 

築後60年以上経つこの駅舎に巡り会えて幸せだ。

根室本線は浦幌から一度山越えをして太平洋に出る。
その山越え区間にある途中駅が上厚内駅である。

釧路から上厚内まで乗車したのは、タラコ色のキハ40。
何とも嬉しい駅へのアプローチとなった。

タラコ色の気動車と木造駅舎。
国鉄時代を彷彿とさせる光景である。 
2両編成の釧路方はキハ40 777であった。

 原型エンジンを轟かせながら、ゆるりと加速していく。

 2番線のホームから見た駅舎。
改札口上の屋根には雪止めが設置してある。

 今も貨物列車が走る根室本線は有効長が大きくとられている。
はるか遠くにY字ポイントが見える。

駅舎を支える柱や、壁の下方は部分的に改修されているようだ。
木造建屋の魅力を損なわないように配慮されている。

 郷愁を感じさせる改札口の手すり。

 
 
 きっぷの回収箱や安全第一の板。
年を経たものの良さが滲み出ている。

 化粧板も、駅舎の風情を活かす形で
改修がされているようだ。


駅は主要国道に面していて、
そこを通るトラックの音はかなり聞こえる。
駅自体は静寂な環境とはいえない。


 晴れた夕暮れに木造の色が良く溶け込んでいる。
風が吹き、屋根に積もった粉雪が舞っている。

大きなホーロー板に書かれた上厚内駅の駅名板は、
青地に白文字、下側にはアルファベットと 昔そのまま。

駅舎正面を照らす照明は何色だろう?
白熱灯色であったら、夜の光景もまた素晴らしいだろうと思う。

駅の前には家屋や仕事場と思われる建物がある。

  建物財産標が残っていた。
こちらはトイレのもの。

 こちらは駅本屋の財産標。
本屋1号
S28年11月23日

写真左側に写っている台は手荷物扱い時代の名残だろう。
窓口は封鎖されているがそこにあったことは想像できる。
窓口のあった所には、写真や駅ノートが置いてある。

 待合室にはプラベンチが4つ並んでいた。
座布団が敷いてあり、無機質なプラベンチに暖かみを与えてくれる。
実際にこの日は非常に寒く、座布団がとてもありがたかった。

 窓の間にある柱は、ネジや釘を使うことなく、
はめ込み式となっていた。
 ぴったりと隙間無く形成する技術力というのは凄いと思う。

 夜の帳が降りつつあるなか、単行の下り列車がやってきた。
この列車で駅を後にした。
そして、入れ替わるように一人の鉄人が降りていった。


 

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