2017年4月30日日曜日

南美深駅

宗谷本線南美深駅は美深駅から南へ約3km。車通りの少ない道路が交差するところにある。私が訪問したのは冬期の晴れた日で、緑色の外板で化粧された待合室は白く雪化粧した景色の中で一際存在感を放っていた。緑色の待合室とは見慣れないものだが,かといって周囲に溶け込んでいないわけではない。むしろ溶け込んでいる。それは歪んだ外板が出す古さの雰囲気によってなのか,南美深待合所という駅名板のなせるローカル駅の雰囲気なのか。開けている土地とはいえ、近くの民家は3軒ほど。のどかな雰囲気には「待合所」という表示がしっくりくる。

2021年3月13日を以て廃止されました。  

この駅へ到達したとき、まず目に入ったのは待合室の緑色である。
自然色に近い緑で、柔和な印象を与えてくれる。


南美深駅は美深市街地の手前の広大な農地に佇んでいる。
国道から離れていて、閑静な場所にある。

真っ白に雪化粧した道路と待合室を撮影したあと、中へと入ってみた。
ドアを開けておけば、柔らかな冬日が雪の力を借りて中を照らす。
意外なほど明るい。
床、壁、屋根には木板がぴっちりと嵌められ、冬の寒さから中を守っているようだった。
小さく古い待合室だと「粗末な」という表現が見え隠れしそうだが、
それとは真逆の内装であった。

待合室にはスノーダンプや竹箒が備えてある。
この後待合室へやってきた地元の年配の方に聞けば、
ちょっと前までは、ご本人がいつも雪かきをやっていたとのこと。
今はJRの人?がやってくれているそうだ。
JRというよりは、美深町かJRから委託された人が雪かきをしているのだろう。

 小さな椅子の上に広げてあるのは南美深駅の駅ノート。
訪問者は結構多いようで、間隔を空けずに旅人の思いが綴られている。

 待合室の窓枠は昔ながらの木枠。

名寄駅と美深駅の間には北星と南美深という
木造待合室の二大巨頭が存在する。

 突然踏切が鳴り出して、慌ててホームへ上がる。
美深方面からやってきたのは何とラッセル車!
雪煙が舞っているあたり、如何にもな風景だ。
予期せずして遭遇した珍客に嬉しさ満点である。

ラッセル車はそろりそろり歩みを進めるようにやってきた。
走行シーンを見るのはこれが初めてであった。

踏切を跨ぐせいか、フランジャーを上げている。

間近で見るラッセルヘッドの大きさに圧倒される。
見上げるようにしてその姿を拝む。
古豪がこのようにして鉄路を支えている。 

13時13分、ゴォっと音を立てて南美深駅を通過。
すごい迫力だ。

車番はDE15 2515。
車体についた氷は稚内からの長旅を続けてきた証拠である。

そして南美深駅を通過。
通過するとギュルルンというあの特徴的なエンジン音を立てて、再び加速を始めた。

重厚なという表現が似合う体躯を前へ進めながら
雪をスイープしていく。
見ての通りラッセル車が通過した後の線路は雪がすっきり。

ホームを抜けるとフランジャーを下げ、
ウイングを広げてラッセルモードに戻る。
左右に雪煙を広げ、
これが俺の仕事だと言わんばかりに走り去っていった。

ラッセル車が去り、ホームから改めて待合室を眺めてみる。
優しい冬日とのんびりした雰囲気は、
訪問前の期待に違わず良いものであった。 
こんな雰囲気を期待して鉄人達がここへやってくるのだろう。

 南美深のホームは仮乗降場出身らしく板張り。
ホームの上はしっかりと雪かきがされている。
板張りホームは風景に溶け込みやすい。
こじんまりとしたサイズがのどかな風景とぴったり合う。

青空をバックにした広がりのある風景が実に清々しい。

やがて定刻になると、足取り軽やかに名寄行き普通列車がやってきた。

この列車には私の他にもう一人、地元の年配の方が乗車した。
その方は名寄へ用事があって、しばしばこの列車を利用し、
夕方の下り列車で戻ってくるそうだ。
聞けばもう1軒のお宅から美深へ行くときに利用される方もいるそう。
地元客の利用を確認出来たことが何だか嬉しかった。 

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2017年2月25日土曜日

剣淵駅

宗谷本線剣淵駅は剣淵町の中心にあり、比較的乗降客の多い駅である。この駅の魅力は、なんと言っても駅前旅館の「食」にある。木造駅舎や板張りホーム、大自然に溶け込むような雰囲気は無いが、一方で駅の目の前にある駅前旅館の「食」はそれを補って余りあるほどの魅力があり、この駅を再訪したいという気にさせる。

お隣の東六線駅を訪問後、自力で剣淵駅までやってきた。東六線駅からだと特急が止まる和寒駅へ行くのも手である。しかしこのときは「なんとなく」剣淵へ向かった。それが期せずして旅の僥倖を招くこととなった。


剣淵駅舎の全景。
シンプルでモダンな建物である。

東六線駅から一時間ほどだろうか。
駅近くの踏切を渡ると、一線スルー式の交換設備を備える
剣淵駅が見えてきた。

駅近くの倉庫ではコンテナへ農産物が積み込まれていた。
鉄道貨物を使って運ばれていることが何だか嬉しくなる。
どこまで運ばれるのか気になるものである。

剣淵駅周辺は剣淵町の中心であり、COOPの大きな店もある。

駅が見えてきた。
東六線駅から長い間歩いて来たせいか、このとき少々空腹であった。
パンを持っていたものの、食堂で暖かいものを食べたい気分となり、
ラーメンの幟に導かれるようにお店へ入った。

こちらが食事をした駅前旅館。
一見普通の食堂である。 
店に入り、メニューを確認するとカレーやラーメンなどがあった。
このとき列車の発車まで20分程度しかなかったので、
カレーなら間に合うかもしれないと思い、聞いてみると、
「大丈夫」とのことだったので、
迷うまでもなくカレーをオーダーした。

運ばれてきたカレーを見てびっくり。
見た瞬間、これは普通のカレーではないと直感が走った。

食べてみてさらに驚いた。
「美味しんぼ」風に言えば、口に入れた瞬間に
タラン♪ という効果音の後に、
 「こ、これは!」という言葉が出てくような印象であった。
豊かな風味とコクのあるルーが、絶妙なトロトロ感と共に、
ライスと見事に絡みあい、口の中でジェントルに拡がっていくのだ。
さらにスプーンを入れただけでほぐれる豚肉との相性も抜群である。
今まで私が食べたカレーの中で間違いなくNo.1である。
図らずも最高に美味しいカレーを食べることが出来た。
私は幸せ者である。

(J氏提供の写真) 
別の機会に剣淵駅へ訪問し、駅前旅館で食事をした
J氏(鉄旅の先輩にコメントを求めた。
ラーメン&カレーセット(900円)
劇旨。ラーメンは煮干しダシと思われる、濃厚しょう油。

 麺はコシがちょうどよく、のびない。
カレーのこの味は、ホテルのレストランをしのぐ。

カレーの最上級だろう。王者だ。
大きなポークの塊があり、スプーンを入れると意外な柔らかさでホロリとほぐれる。 
とにかく、このレベルの高さはすごい。人を幸せにする味だ。
 これは剣淵町の財産だ。剣淵の人は幸せだ。
かつ、ここに立ち寄る旅人の幸いだ。

食事を終えて剣淵駅へ来る。
列車の到着まで間もなくだ。
乗降客が比較的多い割には、シンプルな駅である。

剣淵駅の構造物で見応えがあるのは、この跨線橋だと思う。
駅前旅館のカレーばかりに熱い文字を残したが、
この跨線橋を見ることも剣淵駅の魅力である。

跨線橋から見た駅構内。
宗谷本線の駅だけに有効長が大きくとられている。
10両分くらいはありそうだ。


跨線橋はリベットで形成されていた。
古さを感じさせるものだ。
剣淵は絵本の里として、町づくりをしているようで、
調べて見ると絵本の里大賞などのコンクールを催しているようだ。 
やがて、時間通りに旭川行きのキハ40がやってきた。
剣淵に来られて良かったと思う。
またの再訪を誓ってキハ40に乗り込んだ。 

鉄旅写真報告的訪れたいローカル駅ランキング


鉄旅の先輩であるJ氏より、一部貴重な写真とコメントを頂きました。
ありがとうございました。
※J氏よりご提供頂いた写真は転載をお断りします。

2017年2月10日金曜日

東六線駅

北海道の開拓地に見られる「漢数字+線」、「漢数字+条」という地名は、アイヌ語由来の地名にある韻の良さには負けるが、こちらはこちらで大いに北海道らしさを感じさせるものである。「漢数字+線」の駅名は名寄本線の四号線駅なき今、宗谷本線の東六線駅が唯一の存在である。以下は東六線駅を訪問したときの記録である。


東六線は防雪林に囲まれた閑静な駅た。
ホームはスロープつきの板張りタイプである。

東六線駅は剣淵と士別の中間に位置する。
周囲は農地に囲まれている。


上り列車で東六線駅を目指す。
長い直線区間に入ると小さな駅が姿を現す。

 そして下車。
降りたのは私一人であった。

 少し傾いた駅名板とともに、キハ40の普通列車を見送る。

 名寄方の車両はキハ40 100の一次型であった。
車内の化粧板がピンク色のタイプである。
私がこの型のキハ40に乗れると嬉しくなる。

こちらが駅の待合室。 
外板がトタンと思われる鉄板で覆われているので、
二駅となりの北剣淵駅の待合室と比べると新しく見えてしまう。

仮乗降場の出自を持つ駅だけに
待合室の駅名板は「乗降場」の文字がある。
駅名板の字体が実に良い。

待合室には木製のベンチが並んでいる。
フロアは砂利敷きである。

 ベンチの一部には座布団代わりのマットが敷いてある。
ローカル駅の必須アイテムこと駅ノートもある。

 待合室の一角には箒が備えてあった。 
藁のようなものが床や箒の近くでちらばっている。
保温か何かの目的があるのだろうか。

 旭川~名寄間に位置しており、この区間を走る列車は多いのだが、
東六線を停車する列車は少ない。

 こちらは駅ノート。
東六線駅を訪問する人はあまり多くないのか、
書き込みの間隔が結構空いていた。


 滞在中に快速なよろ号が通過していった。
高速でしかも単行のためか、まさに「あ」っという間の通過であった。

 駅の周囲には人家がそこそこある。

 駅の訪問を楽しんだ後、剣淵駅を目指して自力移動。
道を走る車はほとんど無く、散策気分で移動することができた。

 移動途中で宗谷本線のガーダー橋を見ることができた。
ここを走るラッセル車の撮影が出来たら良い絵になるだろうと思う。



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