2025年3月2日日曜日

あゝ抜海駅

[読み] ばっかい
[路線] JR北海道 宗谷本線
[隣駅]   南稚内(11.7km)←抜海→(8.3km)勇知 kmは営業キロ
[位置] 北海道稚内市抜海村字クトネベツ
              45.316662, 141.644686

過去の抜海駅訪問はこちら

大正時代に建てられた木造駅舎の残る抜海駅。駅舎内のレトロな雰囲気、Y字分岐で出来た列車交換設備、周囲の最果て感があり、唯一無二の魅力を持つ駅である。それが2025年3月15日のダイヤ改正で廃止されることになった。廃止される前に最後の訪問をして、抜海駅を目に焼き付けた。



勇知駅で下車後、時折小走りを入れながら、抜海駅へ急ぎ向かう。勇知駅を出たのは6:11。抜海駅へやってくる列車は7:50発だから抜海駅見学時間を含めると7.9kmを1時間程度で歩かねばならない。

跨線橋があり宗谷本線を上から眺めることが出来た。森を貫く線路は実に情緒がある。

途中、踏切が鳴り出してカメラを構えると、特急宗谷がやってきた。折しも曲線のポイントで、中々良い構図となった。

やっとこさ見えてきた、抜海駅。駅近くの踏切からズームで撮影する。Y字ポイント好きとしては、たまらない景色だ。

駅のそばには抜海駅百周年記念之碑が建てられていた。抜海駅を盛り上げる機運は高く、多数の有志が寄付をしたようだ。

走る・歩くを繰り返し、汗だくになりながら抜海駅へ到着。列車の発車まで30分あるので、何とか駅を見学することが出来そうだ。

訪問した9月23日は抜海駅の交換設備が使われる最後の営業日であった。交換設備や2番線の使用を停止するための工事なのか、夕方以降の3本は運休と告知されていた。

かつてと変わらない駅舎内の風景があった。朝日が駅舎内に差し込み、穏やかな雰囲気が形成されている。

駅ノートが備えられていて、私も一筆書き込んだ。

駅ノートはどなたかが冊子化してくれており、既にNo.26まで出来上がっていた。それだけ訪問客の多い駅である。鉄道以外に車で来る人も多いのだが、抜海駅に立ち寄るということはその人の時間を良い意味で割くもので、結果として稚内市での滞在時間が増える、時間が増えれば、食事や宿泊のケースも増えるというものであろう。抜海駅が人を引き寄せることによる経済効果はあったのではないだろうか。

抜海駅の運賃表。2025年3月のダイヤ改正で南幌延、雄信内、そして抜海駅が廃止されてしまう。この3つは素晴らしい駅であっただけに残念である。

抜海駅は下り3本、上り4本の列車が来るのみ。

ホーム側の出入り口が2重になっている。朝日が差し込んで大変暖かかった。

JR北海道のロゴ。

"ばっかい"とは何と響きの良い名称だろう。この駅名を見ると最北の地へ来たのだなあと実感する。昔ながらの名所案内があるあたりもポイントが高い。

構内踏切からは駅舎と構内を見渡すことができる。青空に木造駅舎が映えている。

2番線ホームから眺める抜海駅舎。ここから見る駅舎が最も良い。

2番線の営業はこの日で最後。棒線化される前に訪問が出来て良かった。私の他に数名の方が駅に来ていたが、皆さん良い人達で、それぞれが抜海駅の最後を思い思いに過ごしていた。

サンゴのようなもので、描かれた抜海駅のボード。長年の風雪・雨に晒されたせいか、一部が剥がれてしまっていた。

乗車する稚内行き普通列車がやってきた。この時列車は7分遅れていて、結果的に滞在時間が30分から40分弱へと延びた。お陰で抜海駅を思い残すことなく堪能することが出来た。

一人が下車し、自分の他にもう一人が乗車した。

抜海駅の乗車整理券を写真に残す。次に下車する南稚内で料金精算とともに整理券が回収されるため、写真に収めなければならない。

最後に抜海から南稚内の車窓を動画に残す。利尻山が見えるのは1:04頃から。

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