2020年8月28日金曜日

千綿駅

長崎県を南北に走る大村線には、青春18きっぷのポスターの被写体となった千綿(ちわた)駅がある。木造駅舎に入り、ラッチからホームへと上がると大村湾が一面に広がる。大村線に乗るなら是非とも下車をお勧めしたい駅だ。



千綿駅は、諫早と早岐を結ぶ大村線のほぼ中間地点に位置している。地図から見てもわかるように、大村湾と徹底的につきあう路線で、大村湾の風景を堪能できる路線である


出発は諫早駅。幸運なことにホームで待っていたのは急行型カラーを纏ったキハ66・67のトップナンバーであった。大村線に乗る以上はキハ66系に乗りたかったので嬉しさ満点。この普通列車早岐行きに乗って、千綿駅を目指す。


こちらがキハ66の車内。化粧板のカラーは103系や113系のそれと同じようだ。昔東海道線で乗った113系を思い起こす、そんな車内の印象を受ける。


窓は上段上昇、下段上昇タイプ。車端部にある広告入れにフルムーンパスのポスターでも入っていれば、国鉄時代の雰囲気そのものだったかもしれない。

穏やかな水面をたたえる大村湾に沿って北上していく。素晴らしい車窓である。この日は良く晴れていて海を眺めるには最適の条件であった。

そして千綿駅へと到着。自分以外にも2名の高校生が下車した。

駅は緩やかに曲線のある線形にある。目の前は海とあって、ホームに立つだけで清々しい気分になった。こんな素晴らしいロケーションの駅は中々ないと思う。

この駅舎をご覧あれ!この駅はロケーションの良さもさることながら、駅舎も実に素晴らしいのだ。この風情ある木造駅舎あっての千綿駅である。

駅舎内にはレトロな空間が広がっている。荷物台が残っているほか、窓口も生きている。この時は営業していなかったが、簡易委託駅として普段は乗車券販売などもあるようだ。

ここでの往復券買ったら、裏が白色のきっぷ、すなわち硬券や常備券など来たら最高なのだろうが、ネットの情報を見ると数年前に常備券を買った方は常備券を手にしたようなので、もしかすると今も残っているかもしれない。私が行ったときには窓口が閉まっていたのが残念である。

駅前には丸ポストがあり、レトロな雰囲気を保たれている。JR九州は古い駅舎を活かした取組がとても上手で、魅力を感じる木造駅舎が多い。

駅舎の奥には一段高いホームがあり、その先には大村湾が広がっている。

ホームへ上がればご覧のとおりの景色が広がっている。こんな駅で時間を取れるなぞ、幸せなことである。

駅には3世代の家族連れが来て、暫しの時間を楽しんでいた。

駅の前後は緩やかなS字カーブを描く線形である。昔は多数の車両を連ねた客車列車が到着していたのだろうが、さぞかしこの駅の雰囲気とマッチしていたのだろうと想像する。気動車とはいえ、いまも国鉄型車両がこの駅へ毎日やってくる。キハ66・67が運用されている内に訪問したい駅である。

1時間ほどの滞在は瞬く間に過ぎ、乗車する佐世保行き普通列車がやってきた。運よくこの列車も国鉄型車両のキハ66系あった。

千綿駅のそばには交通量の多い道路が走っていて、秘境感は全くない。しかしそれを補って余りある駅舎とロケーションの魅力があり、オススメの駅である。いまは食堂が駅舎内に入っているらしく、しかも評判が良いらしい。いづれ再訪しよう。


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