2019年4月21日日曜日

光珠内駅

函館本線 光珠内(こうしゅない)駅には大型の木造駅舎がある。柱がむき出しになっていない外観は「瀟洒な」という表現がしっくりくる。多数の電車が行き交う函館本線上に、趣のある木造駅舎が佇んでいる。

光珠内駅は、岩見沢と美唄の間に位置する。駅の前後は線形が良く、特急列車は高速で通過していく。


茶志内駅から乗車した721系普通列車を光珠内駅で降りる。降りたのは、私のほかに2名であった。


721系3両編成には多数の通学客が乗車しており、盛況であった。3両編成でちょうど良く乗客が収まっているといった感じだ。


曇天の中、駅名板が田園風景に映える。
駅の西側には田畑が広がっている。


上り本線ホームと駅舎は短いスロープを介して直接的に接続されている。柱は白い木壁で化粧されており、むき出しになっていない。このような木造駅舎は光珠内駅でしか見たことがない。

特急列車がビュンビュン行き交う函館本線電化区間で、さらに1時間に1本以上の頻度で普通列車がやってくる駅に、この駅舎が現役というのが何だか信じられないような、また嬉しいことである。

駅舎の入り口には大きな木製駅名標が掲げられている。

駅前には民家が点在している。この先には国道5号線が走っているはずだが、雨模様のためか自動車の行き交う音は気にならなかった。

駅舎の中には昔から使われているだろう、木製ベンチがある。比較的広いつくりである。古くからある駅らしく、天井は格子づくり。

塞がれた窓口には台が残っており、デザイン性に優れた腕木に支えられていた。この駅舎の歴史の長さを物語っている。

台上には駅ノートが備えてあった。
私も一筆書いて仲間入り。

駅舎の一角には警戒標が残されていた。今これを使うことは無いだろう。貴重な物品である。

駅滞在中には、二本の特急通過があった。こちらは、下り旭川行き「カムイ」。流し撮りというのは実に難しい。

次にやってきたのは、上り札幌行き特急「カムイ」。凄まじい速さで通過していく。

しばらくして、乗車予定の下り普通列車がやってきた。4つの前照灯は列車の存在感を際立たせる。北海道の車両は、降雪時の着雪を避けるため、車体の上方に前照灯をつけると聞く。

到着した721系普通列車。この列車に乗車し光珠内駅を後にした。木造駅舎を目指して光珠内駅へとやってきたわけだが、期待に違わず満足度の高い訪問となった。

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2019年4月14日日曜日

茶志内駅

函館本線 茶志内(ちゃしない)駅は岩見沢~滝川区間にある普通列車のみが停車する駅である。石油輸送列車が発着していた名残で構内は広く、多くの側線が残っている。
美唄駅から北海道中央バスに乗って茶志内バス停で降りると、駅はすぐである。訪問した時は生憎の雨であった。


茶志内駅は札幌と旭川のおよそ中間点に位置する。特急列車は全て通過し、普通列車のみの発着である。普通列車の本数は比較的多く、訪問の計画は立てやすい。


茶志内駅前には石造りの大きな農業倉庫がある。大農業地帯、石狩平野らしい駅前の光景である。昔は鉄道を使って茶志内駅から農産物が発送されていたのかもしれない。


待合室は広く、大きなテーブルが置いてある。椅子、テーブル共に清潔に保たれており、快適に過ごせる。駅ノートがテーブルの上にあり、駅訪問者達の足跡を見ることができる。


待合室の一角にはシャッターが降りていた。シャッターがあるとなると、想像するのはKIOSKのような商品を陳列するようなお店である。

””茶志内駅がオイルターミナルとして現役だったころは、周辺人口が多く、駅の利用者は今よりもかなり多かった。だからKIOSKが営業していた””などと想像してみたのだが、一日の平均乗車人数を紐解いてみると、
平成12年 38人        
平成13年 35人        
平成14年 42人(貨物輸送廃止)
平成26年 16人        
と、今よりは多かったものの、貨物輸送があった当時も乗車人数は二桁。とてもKIOSKが営業していたとは思えない。このシャッターは何の名残なのだろうか。
(出典)
ー美唄市統計書 平成15(2003)年版
ー美唄市統計書 平成27(2015)年版

茶志内駅には伝言板が残っていた。携帯端末の発達とともに姿を消していった伝言板。茶志内駅のそれには、チョークと黒板消しが備えてあり、今も現役で使えるものであった。


駅の窓口の跡はシャッターと対面していた。窓口は塞がれ、掲示板としての役割を果たしていた。


これこそ紛れもなく窓口の痕跡。


茶志内地区には絵手紙教室があるとみえて、作品が展示されていた。人間味あふれる手紙が、駅に暖かみを添えている。

待合室から跨線橋へと出るところには、ラッチが残っている。

茶志内駅から発車する列車のほとんどは2番、3番ホームを発着するようで、跨線橋を渡る必要がある。駅舎に近い4番ホームは待避線のようだ。

待避線とはいえ、4番線のホームは使われているようで、ホームは一部改修されている。と驚いたのが、駅舎側のホームが4番線で、次いで3番線(下り旭川方面本線)、2番線(上り札幌方面本線)となっていて、1番線は欠番であること。国鉄時代の習わしでは、駅舎側から1番線、2番線・・・と番線付与をするのが普通なので、なぜこのような番線付与にしたのか不思議である。

「ちゃしない」の駅名板4枚を一枚の写真に。

駅本屋と線路を挟んだ逆側には広大な土地が広がっている。草の中にも側線があり、石油輸送貨物が発着していた往時を偲ばせる。

やがて滝川方面から721系普通列車がやってきた。711系無き今、北海道で一番好きな電車である。この列車に乗車し、次の目的地、光珠内駅へと向かった。

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