寝台特急サンライズ出雲号、同瀬戸号には個室寝台とは別に、ノビノビ座席と称される寝台料金不要の指定席がある。フェリーの雑魚寝スペースとは異なり、窓際には仕切りがあり、隣と顔合わせにならない構造となっている。完全に横になれて、しかも寝台料金不要という夜行バス顔負けのゴロ寝座席とあって人気は高い。今回はサンライズ瀬戸号のノビノビ座席を、東京駅から香川県の坂出駅まで利用してみた。
この日のサンライズ瀬戸号の乗車率は寝台、ノビノビ合わせて30%程度で、閑散としていた。これまでの乗車では、満席かほぼ満席状態であったので、この利用状況には驚いた。閑散期ということもあったのだろう。車掌さんに聞いてみると、「これほど空いているのは初めてです」と仰っていた。混雑時には車内のシャワー券が売り切れてしまうので、それを予想して予め銭湯に入ってきたのだが、この日は拍子抜けするほど空いていた。
22時前にも関わらず、東京駅9・10番線ホームには多くの帰宅客が行き交う。お隣の10番線には上野東京ラインの列車がひっきりなしに発着している。上野東京ラインが完成してから東北、高崎、常磐の3系統の列車が来るようになり、東京駅の東海道線ホームは発着本数が大幅に増えた。平日21時台に東京駅を発車する東海道本線下り列車は実に15本、単純計算で4分に1本の列車が発着していることになる。
9番線にはサンライズの乗車口がワイヤードボードに示されている。以前は9番線の案内に「岡山・出雲市・高松方面」と示されていたのだが、この表示は無くなってしまったようだ。
この日のサンライズ瀬戸号の乗車率は寝台、ノビノビ合わせて30%程度で、閑散としていた。これまでの乗車では、満席かほぼ満席状態であったので、この利用状況には驚いた。閑散期ということもあったのだろう。車掌さんに聞いてみると、「これほど空いているのは初めてです」と仰っていた。混雑時には車内のシャワー券が売り切れてしまうので、それを予想して予め銭湯に入ってきたのだが、この日は拍子抜けするほど空いていた。
東京駅9番線に入線したサンライズ瀬戸・出雲号の14両編成。落ち着いたカラーリングや独特の窓配置が織りなす雰囲気は、通勤電車と一線を画している。
ホームからは木目調の個室の様子が目に入る。帰宅客で雑踏するホームとは全く異質の時間が流れているように見える。疲れた仕事帰りにこれを見れば、「この列車に飛び乗って旅に出てしまいたい」、「いつかこの列車で旅に出たい」、そんな気にさせられる。
今宵の宿はサンライズ瀬戸号。
乗車するノビノビ座席は5号車である。指定席として示されているのがノビノビ座席であり、寝台との区別がつけられている。
5号車は車両中央部のすべての区画がノビノビ座席となっていて、やや小さい窓が特徴である。
今宵の宿へと入る
こちら5号車ノビノビ座席の様子。山側に通路があり、海側に計28席のノビノビ座席が配されている。
A・B席は下段、C・D席は上段という区分となっている。私の区画は上段の端となる1C席である。上段は下段と比較して解放感があり、下段より好みである。
隣の区画とは仕切り板があり、海側に頭を向けて寝れば、寝返りをうっても隣の人と顔を合わすようなことはない。コップや読書灯が備えられている。
各区画にはエアコンの吹き出し口まで備えてある。昔の開放式寝台では寝台毎にエアコンの調整が出来なかったこともあり、冬期に上段へ乗ると暑すぎると感じることもあった。サンライズは区画毎に吹出し量を調整できるので、この点はとてもありがたい。
車内は至って静粛であった。
ホームの雑踏とは対照的である。
ホームの雑踏とは対照的である。
各座席の区画にコンセントは無く、通路に一つある。ノビノビシート利用者はこの共用コンセント一個を使うしかない。共用1口とあってか、分岐タップを使い占有を避けながらの利用を見たことがある。
5号車の目の前にはNewDaysがあり、夜食の調達が容易である。
(動画10:00)
0:17 東京駅発車
0:55 ひかり号名古屋行きとの併走
1:35 案内放送開始
4:14 英語案内放送開始
5:32 英語案内放送終了
7:39 品川駅通過
8:05 ひかり号名古屋行きに追いつく
9:54 大井町駅通過
(動画10:00)
0:17 東京駅発車
0:55 ひかり号名古屋行きとの併走
1:35 案内放送開始
4:14 英語案内放送開始
5:32 英語案内放送終了
7:39 品川駅通過
8:05 ひかり号名古屋行きに追いつく
9:54 大井町駅通過
サンライズ瀬戸・出雲号は22時東京駅を定刻通りに発車した。同時に発車したひかり号が先行しつつも、品川駅を通過するサンライズ号が品川駅通過時に追いつく。その後大井町駅付近までの走行車窓。
サンライズ瀬戸・出雲号は東海道、山陽道を駆け抜け、定刻通りに岡山駅へ到着した。熱海駅を出てから岡山駅到着直前までぐっすりと寝られた。やはり完全に横になれるというのは大きな利点である。床が多少硬いので、気になる人はコンパクトなエアマットなどを持って行くと良いだろう。
岡山駅では相方のサンライズ出雲との分割作業がある。サンライズ乗車の一大イベントとして多くの乗客が見守る。
サンライズ瀬戸の5号車の前には売店がある。ここで朝食を調達することが可能である。
岡山駅から7両編成になったサンライズ瀬戸号は宇野線、瀬戸大橋線を通って四国へ向かう。瀬戸大橋線では朝の瀬戸内海を眺めることが出来る。サンライズ瀬戸号のハイライトだ。
児島駅~瀬戸大橋車窓動画(6:29)
3:03~瀬戸大橋区間
3:03~瀬戸大橋区間
本州側最後の駅、児島駅を出ると瀬戸大橋区間に入る。風光明媚な瀬戸内海の車窓は素晴らしい。瀬戸大橋区間は鉄橋走行らしい走行音が聞こえる。
石油基地や火力発電所が見えてくると、そこは四国である。
終点の高松までは乗車せず、特急列車への乗り換えのために坂出駅で下車した。サンライズ瀬戸号から四国の特急列車への乗換えに乗継ぎ割引が適用されるので、サンライズ瀬戸の切符購入と同時に乗り継ぎ列車の切符を購入するとおトクである。乗換列車の特急料金が半額となる。
一晩お世話になったサンライズ瀬戸号が高松へと発車していった。サンライズ号の旅はすこぶる快適である。これからもどんどん利用したいと思う。