2018年1月14日日曜日

塩狩駅

塩狩駅は宗谷本線「塩狩峠」のサミットに位置する駅である。鉄道員であった長野政雄さんが自らを犠牲にして、連結器の外れた車両の暴走を食い止めたのがこの地であり、このことは三浦綾子さんの小説「塩狩峠」を通じて広く知られている。
私が訪問したのは冬期で、木造駅舎が冬晴れの中、凜と佇んでいた。



塩狩駅は旭川から宗谷本線を北に30キロ弱。
駅のそばには三浦綾子さんの旧宅である塩狩峠記念館と
ユースホステルである塩狩ヒュッテがある。



旭川から乗車した普通列車は20‰を越える塩狩峠の急勾配を上りながら、駅へと近づいていく。


2台エンジンを積んだ強力な脚を以て峠を登るキハ54 529。

カーブの先に場内信号が見えてきた。
間もなく塩狩駅である。

駅は峠のサミットにある。
うなり続けたエンジンがホッと一息つくかのように
鳴りを潜める。

駅に到着したキハ54は息を整えているかのようだ。
下車したのは私一人であった。

対向ホームには交換待ちをしていた旭川行きが
出発を待っていた。

構内踏切を通過していく旭川行き快速なよろ。
乗客は多いようだ。

排気ガスに含まれる水蒸気が寒さで
湯気となっている。

やがて私を降ろした下り列車も
静かに出発していった。

さすが峠のてっぺんとあってか、雪の量は多い。
駅名標が雪に埋もれようとしていた。

駅舎はホームから少し高い所にある。
雪かきは綺麗にされていた。

駅舎の屋根からはたくさんのつららが垂れていた。

この時の気温はマイナス7℃。
北海道としては決して厳しい寒さではない。
陽が出ていたこともあり、寒さは感じなかった。


待合室の窓には氷の結晶が現れていた。
何とも綺麗な造形である。

待合室は比較的広い。
保線関係の業務用部屋とを結ぶ煙突が
部屋を暖めてくれる。


待合室のベンチは昔ながらの木製タイプ。


駅ノートが備えられていたので、
ご多分に漏れず私も記録を残す。


塩狩駅のそばには塩狩ヒュッテがあり、
カフェの他に宿泊もできるようだ。
寒いときに暖まるランチや珈琲をとれたら
実によいだろうと思う。
東六線駅へ行ってくるプランなども
書かれているあたり、
鉄人の利用が多いのだろうと想像する。


こちらが駅のそばにある塩狩ヒュッテ。
ここへ宿泊してラッセル車の撮影などしてみたいものだ。


ヒュッテのそばには塩狩峠の標柱がある。
この通路は先の分岐器まで続いているようで
保線の方々が路を拓いたようだ。


長野さんの碑は深い雪に埋もれかけていた。
長野さんへ向けて合掌した。


国道へ出てすぐの所に塩狩のバス停がある。
ここで道北バスに乗り、名寄を目指す。


バス停のそばにはコンビニがあるのだが、
このときは営業していなかった。
雪かきがされていなかったことから、
季節営業なのだろうか。


予定より20分ほど遅れてバスがやってきた。
もしかして早くバスが来たのかとも思い
少々焦ったのだが、無事に乗車することができた。
このバスに乗り、塩狩峠を後にした。



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