島根県江津と広島県三次を結ぶ三江線に乗車してきました。
豊富な水を湛えて滔々と流れる江の川を車窓に見ながらの鉄旅は何ともゆったりとした贅沢な時間となりました。
豊富な水を湛えて滔々と流れる江の川を車窓に見ながらの鉄旅は何ともゆったりとした贅沢な時間となりました。
宮脇俊三さんは”鉄道旅行のたのしみ”で三江線を次のように紹介されておられます。
「三江線は、中国地方では最大の流域面積を有する江川と徹底的につき合う線である。~中略~豊かな水をたたえて蛇行する江川とともに三次までいくのだが、いい川なので飽きることはない。」
実際三江線に乗車すると、この文章表現を身にしみて感じることができました。
出発の前日夜に撮影した江津着の列車です.
江津駅は国鉄時代の雰囲気を色濃く残す駅です.
※J氏提供の写真
朝になり改札の時間となります。
三江線は3番線からの発車です。
三江線の時刻表です。朝6時発以降は12:34までありません。
「自動きっぷうりば」のボードは国鉄時代そのままのものでしょう。
※J氏提供の写真
夜明け前の早朝にもかかわらず、KIOSKが空いていました。
ここでお土産を購入しました。
地方都市の駅にKIOSKというのは実に似合います。
※J氏提供の写真
江津駅の階段の支柱には明治43年製レールが使われていました。
旧型客車や雑多な貨車を引いた SLがこのレールの上を走っていたのでしょうか。
それでは江津駅を出発します。
※J氏提供の写真
全通前の旧三江北線にあたる部分では木造駅舎があります。
※J氏提供の写真
夜が明けてきました。
江の川に沿って列車は南下します。
交換設備のある石見川本駅へ到着しました。
ここで浜田行きと交換します。
業務委託駅なので、是非とも駅舎などを見学したいところでしたが、
この列車は短い停車時間を経て発車します。
江の川が朝靄を鏡のように映します。
竹という地名に由来した駅名なのでしょうが、
縁起の良い駅名なので撮影。
列車は江の川に沿って、上っていきます。
水墨画の世界に入り込んだような気持ちになります。
日々のあくせくした生活で体についた塵が洗い流されていきます。
※J氏提供の写真
江津を出て2つめの交換駅、浜原へ到着です。
簡易線規格のレールでしょうか、ヘロヘロ感がたまりません。
ここで三次からの対向列車と交換しました。
お互いの前面を見合いながら至近に停車するという、
昔のタブレット交換を彷彿とさせるような停車形態です。
浜原を出ると、鉄道建設公団が建設した区間に入ります。
これまでと打って変わって高規格な線路となり、列車のスピードが上がります。
浜原を出ると、これまで三次に向かって左手につきあっていた江の川が右手に移ります。
列車左手には、山と段々畑の景色が見られました。
列車はいよいよ宇都井(うづい)駅へ近づきます。
山があればトンネルで貫き、川があれば橋を以て渡る。高規格な線路は直線的に敷かれています。
宇都井駅ではホームで列車を待ち構える鉄人達がいました。
列車本数の少ない宇都井駅を、鉄旅のスケジュールに組みこむことは難しいです。
合計4名の鉄人達が乗車しました。
ここで若干の停車時間がとられるという、嬉しいサプライズがありました。
皆一斉に降りて、思い思いのひとときを過ごします。
近代的で無機質なコンクリート造の高架駅ですが、
これが閑散路線にあるというギャップがまた面白いところです。
列車の向こうには石州瓦をまとった家々が彩りを添えます。
宇都井駅を出ると、列車は第三江川橋梁を渡します。
(写真は江津方面行きの列車)
鉄橋を単行列車が走る、ダダン、ダダンというボギー毎のリズムが谷に響きます。
第三江川橋梁を渡るキハ120の動画(0:21)です。
鉄橋から響く車輪の音をお聞き下さい。
ほどなくして3つ目の交換駅、口羽駅へ到着しました。
この駅から複数の方の利用が見られました。
列車はまた三次に向かって左に江の川を見ながら走ります。
※J氏提供の写真
作木口付近を走る三江線の動画風景(3:03)です。
0:17 上り列車が作木口駅へ到着。ぱらぱらと人が降りる
1:10 作木口駅発車
1:39 汽笛
2:09 エンジンを唸らせる
2:35 低速区間へ向け減速
所木駅に到着する上り列車。
後ろに見える吊り橋が実によい味を出しています。
※J氏提供の写真
所木駅に到着する上り石見川本行きキハ120の動画(2:21)です。
駅の前にある線路の曲線がなんともよい味を出しています。
三江線随一の秘境駅、長谷駅です。
この駅で3名の鉄人達が降りて行きました。
いつか私も下車してみたいと思います。
列車右手に芸備線の線路が近づいてくると三次へ到着します。
定刻どおりに三次駅へ到着しました。
三次へ着く頃には立ち客が出るほど混んでいました。
最後に三次駅1番線からこれまで世話になったキハ120 307を撮影。
これからも頑張って三江線を支え続けてほしいと思います。
鉄旅の先輩であるJ氏より、一部貴重な写真のご提供を頂きました。
ありがとうございました。
※J氏よりご提供頂いた写真は転載をお断りします。