2013年10月5日土曜日

寝台特急「あけぼの」シングルデラックス乗車記



夜行列車の魅力とは何か?と問われれば、始発駅を発車するときの極めてジェントルな加速、夜行列車独特の車内放送、賑やかな都市部に対となる長距離列車の静かな車内、目が覚めれば朝日を受けながら見る昨晩とは全く異なる景色等、その魅力は数え上げたら切りがありません。ですから、これらが楽しめる夜行列車に乗ることそのものが私にとっては大きな幸せで、それが寝台列車であれば尚更です。貴重な夜行列車のなかで,下り寝台特急「あけぼの号」のシングルデラックスに上野から青森まで乗車致しましたので、そのときの様子をお伝えします。


上野駅へやってきました。
電光掲示板に「寝台特急あけぼの」が表示される時刻となりました。
寝台特急の文字を見るだけで胸躍ります。


上野駅13番線は青森や札幌へ行く旅人が利用する特別なプラットホーム。
出発前の夜行列車と13番線が醸し出す雰囲気がたまらなく好きです。

あけぼのを牽引するのは、山男EF64
今や夜行列車を牽く直流電気機関車はこの「あけぼの」だけとなりました。

ずらりと並ぶ青い車体。私にとって夜行列車といえば、第一にブルートレインです。

今夜は7号車シングルデラックス、11号室で過ごします。
車番はスロネ24 551でした。
行き先表示の「青森」という文字が何とも旅情をそそります。

それでは青森駅へ向けて発車です。

 A寝台車両とあって、通路の照明が白熱灯です。


 シングルデラックス11番のドアを開けました。非日常への入り口です。

ベッドに座るとこのような眺めが見られます。


ベッドを畳んでソファー状態にした翌朝の写真です。
ここでゆっくりしながら景色を眺めるのが至福の時間です。


 シングルデラックスの個室にはテンキータイプの鍵がついています。   


 個室には空調、モーニングサービス、音楽、照明のコントローラがありました。


 個室内に洗面台がついているのが嬉しいところ。
シャワーが無くてもタオルで体を拭くことができます。


 シングルデラックスにはこのようなアメニティの入ったポーチがありました。
「あけぼの」マークが入っているのが嬉しいです。


別の車両へ行ってみると、冷水器が現役でした。
私のような人間は、ついつい水を飲んでしまいたくなります。


高崎へ着く前に眠くなって、毛布にもぐりました。
おやすみなさい。

夜は更けて、酒田駅へ定刻通りに到着しました。


 吹浦駅から先は日本海に沿って進みます。
以前50系に乗ったときも、このあたりからの景色を撮影した記憶があります。
そのときの写真がこれ↓ちょっと場所がずれているかもしれません。


吹浦駅付近の動画です。
庄内平野が尽きて、日本海に面します。


 象潟駅に到着。数人の降車があったようです。


水田に浮かぶ小島。象潟の美しい風景です。


折渡駅。
50系で旅行したときのもこの駅を通りました。
懐かしい思い出です。
そのときの写真↓



羽後亀田駅通過。上り普通列車と交換しました。


再び海沿いを走ります。
前方に見えるのは男鹿半島の山でしょうか。

普通列車の停車が少なく、列車での到達難易度が高い桂根駅を通過。
一線スルー式のようです。

雄物川を渡り、秋田駅へ到着します。


 今や、折り戸式の車両を持つブルートレインは「あけぼの」だけ。


秋田駅では4分間の停車がありました。
この時間を利用して後ろのオハネフ24を撮影。
個人的にブルートレイン客車の帯は白が好きです。


 秋田駅には男鹿線のキハ40が止まっておりました。
サボが使われていますね。


7:14鯉川駅にて運転停車。 
4分の待ち時間の間に701系秋田行き快速列車と交換しました。

北金岡駅にも運転停車。特急つがるとの交換です。
7:377:40発でした。


米代川沿いを上り、大館盆地に入ります。
景色が開けてくると大館に近いことを予感させます。


大館駅2番線到着。ここで何人もの降車がありました。
7号車の利用者からも降りられた方々がいらっしゃいました。
後ろ姿が写っている割烹着の方は「鶏めし」を持ってきてくれた花善の方です。


大館駅の楽しみといえば、有名駅弁の「鶏めし」。
予約しておいたので、製造元である花善の方が7号車の
デッキの前まで持ってきてくれました。
包みをあけると、香ばしい炊き込みご飯の香りがふわっと広がります。
絶妙な味付けでとても美味しかったです。
これを書いていて、また食べたくなってきました。
これを「あけぼの」の車内で食べられたことが嬉かったです。


弘前駅へ到着。まとまった数のお客さんが降りていきました。


弘前駅は一般駅として貨物営業もしています。
りんごも列車で輸送されるのでしょうか?


弘前を出ると岩木山が見えてきます。


収穫が近いのでしょうか。
りんごの実には紙袋がかけてありました。


列車後方を撮影しました。
速度を落とし、ぐいっと大きなカーブを曲がると青森駅に到着します。


定刻通り終着の青森駅へ到着しました。


牽引のEF81 139号機は双頭連結器を装備していました。
複雑な機構のように見られます。
自動連結器の開放テコはどこにあるのでしょうか?


ずらっと並ぶ青い車体。青森駅にはブルートレインが似合います。


上野方ではすでにDE10が連結され、車庫へ入る準備が出来ていました。


到着してから30分ほどして引き上げていきました。
夜行列車の魅力を存分に楽しむことの出来た一夜でした。

乗っていて気づいたのは、途中駅までの利用が多かったことです。庄内地方、秋田県内各駅、弘前への利用客が多く、首都圏を結ぶ直通列車として、その機能を十分に果たしているように感じました。花善の駅弁が、列車の楽しみを増し、見る楽しみとしても、羽越本線から見る日本海景色や、象潟の風景、存在感のある岩木山、車窓に流れる美しい田園風景やりんご畑の景色など、魅力満載の列車でした。また機会があれば、是非とも乗りたい列車です。

おしまい。

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