2016年11月28日月曜日

東山駅

最初に函館本線東山駅に降りてみたいと思ったのは、随分前のこと。フジテレビ系列で「TV2」という番組があり、「完全走破!上野~札幌寝台特急北斗星の旅」というタイトルの回があった。北斗星号への乗車に憧れていた私は、それこそビデオテープがすり切れるほど繰り返し見たものだ。作品の中で北斗星号は大沼公園での運転停車の後、しばらくして右に大きなカーブを曲がると、その先に驚くほど小さな駅(東山駅)を通過する。DD51の長い鼻越しの映像だったから余計に小さくみえたのかもしれない。東山駅への認識はそのとき以来である。降りてみたいという気持ちを持ちつつも中々叶わず、長いときを経て漸く訪問するチャンスを得ることが出来た。

※2017年3月4日を以て廃止されました。 


 
ホーム古枕木?を組み合わせた木製タイプ。
待合室の無い駅である。

函館本線の線路のくねくね具合が東山駅の前後で顕著である。
それだけ勾配のある区間である。

 上り列車に乗ってやってきた。
キハ40は連続する坂をあえぎあえぎ上り、東山駅で一息つく。
降りたのは私一人であった。

東山を出るとまた20パーミルの勾配を上っていく。
発車したばかりでエンジン全開だろうか。
キハ40の排気に凄みを感じる。

やがて列車が遠ざかっていき、
駅は静けさに包まれる。

 大沼方のホーム先端からは、20‰の勾配標が見える。
キハ40にはきつい坂である。

 こちらは森方面の風景。
細い柵と枕木ホームの組み合わせが何とも良い。

木の厚みがあるので、板張りホームとは違った歩行感覚を覚える。 

 ホームへの乗り降りはホーム端部にある鉄板で出来た階段を利用する。

 
ここが東山!と言わんばかりの標識。

 
やがて下りスーパー北斗がやってきた。

 あっという間に通過していく。
この駅の存在に気づいた乗客は如何ほどだっただろう?

 振り子気動車はカーブに合わせて体を傾けていく。

 
最後に踏切から東山駅を眺め、駒ヶ岳駅へと足を向けた。


 
 
 


2016年11月13日日曜日

姫川駅

姫川駅は函館本線の駒ヶ岳まわりの路線上にある交換駅である。国道が駅のそばを走っているにも関わらず、国道から直接駅へアクセスすることは出来ず、林の中を走る未舗装の道路のみが駅へと通じている。信号場から昇格した駅だけあって、周囲の人家は少なく、秘境感がある。ただし、国道5号線が近いせいか自動車の音はそこそこ聞こえる。

駅舎は木造駅である。特徴的なのは、外壁の板張りが通常は地面と平行であるところ、垂直方向となっていることである。

※2017年3月4日を以て廃止されました。 

ホームから一段上がったところに風格のある木造駅舎がある。
上り線はホームの長さが1両分しかない。 


森駅から函館へ向けて坂を上っていくと姫川駅がある。
一駅で60m強も上ることになる。


森駅へと向かう下り坂の途中に姫川駅がある。
東山駅を出ると次は姫川駅である。

姫川駅で下車したのは私一人であった。

暫しの停車時間の後、定刻通りに発車していく。

貨物列車や特急列車が行き交う函館本線だけあって、
交換設備の有効長はかなり大きくとられている。
森方の分岐器は曲線の先にあってホームから見ることはできない。

下りホームから見た姫川駅の待合室。
ホームから1段上に待合室がある。

こちらは函館側の構内の様子である。
分岐器はかなり先にあるようだ。

上下線のホームは構内踏切で結ばれている。


駅へアプローチする道から見た姫川駅。
駅前は未舗装状態である。


駅舎には立派な駅名標が掲げられている。


外板となる木の板は、通常地面と平行に配されていることが多いのだが、
姫川駅のそれは上下方向となっている。 
窓枠はアルミサッシに交換されていない。

スピーカーの根元に据え付けられた表札には古い筆文字がある。驛本屋という文字があるようにも見える。
上書きされたような痕跡も見られる。

駅舎の中央には現役らしきストーブがある。
冬期に保線の人たちが使うのだろう。

こちらは待合室の様子。
窓枠にアルミサッシがないせいか、長い歴史が成す風格を強く感じさせる。

ローカル駅には欠かせない駅ノート。
私も多分に漏れず一筆啓上。

窓を通して美しい北海道の青空が顔をのぞかせていた。

駅を背にして駅前を探検してみる。
道路はすぐに二手に分かれる。

駅を背にして右へ向かう道に足を向けてみる。
 駅を通ずる道とは思えない雰囲気だ。

カサカサという音とともに藪へ消えていったのはヘビ。
毒がないだろう種だとわかっても怖じ気づいてしまう。


今度は線路沿いに続く道に歩みを進めてみる。


その先にあったのは養蜂場。

働き者達がせっせと活動していた。

駅前の水たまりに集まっていたミツバチ達は、あの養蜂場に住んでいるのだろう。


姫川駅は特急街道にある。
滞在中に何本かの特急が通過した。
こちらは下りのスーパー北斗。

上りスーパー北斗もやってきた。
キハ261系が運用に入っていた。

 
特急列車の利用は大盛況であった。


下り線ホームの土手を登ってみると、畑の先すぐに国道5号線があった。 
なるほど自動車の音が良く聞こえるわけである。

上り列車の時間が迫り、ホームに降りる。

単行のキハ40がやってきた。
嬉しいことに一次型の837番である。
「スー」と落ち着きのあるブレーキ操作の空気音を立てながら到着する。

私が乗車するのと入れ替わりに鉄人と思しき2名が下車していった。  





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