最初に函館本線東山駅に降りてみたいと思ったのは、随分前のこと。フジテレビ系列で「TV2」という番組があり、「完全走破!上野~札幌寝台特急北斗星の旅」というタイトルの回があった。北斗星号への乗車に憧れていた私は、それこそビデオテープがすり切れるほど繰り返し見たものだ。作品の中で北斗星号は大沼公園での運転停車の後、しばらくして右に大きなカーブを曲がると、その先に驚くほど小さな駅(東山駅)を通過する。DD51の長い鼻越しの映像だったから余計に小さくみえたのかもしれない。東山駅への認識はそのとき以来である。降りてみたいという気持ちを持ちつつも中々叶わず、長いときを経て漸く訪問するチャンスを得ることが出来た。
※2017年3月4日を以て廃止されました。
ホーム古枕木?を組み合わせた木製タイプ。
待合室の無い駅である。
函館本線の線路のくねくね具合が東山駅の前後で顕著である。
それだけ勾配のある区間である。
上り列車に乗ってやってきた。
キハ40は連続する坂をあえぎあえぎ上り、東山駅で一息つく。
降りたのは私一人であった。
東山を出るとまた20パーミルの勾配を上っていく。
発車したばかりでエンジン全開だろうか。
キハ40の排気に凄みを感じる。
やがて列車が遠ざかっていき、
駅は静けさに包まれる。
大沼方のホーム先端からは、20‰の勾配標が見える。
キハ40にはきつい坂である。
こちらは森方面の風景。
細い柵と枕木ホームの組み合わせが何とも良い。
木の厚みがあるので、板張りホームとは違った歩行感覚を覚える。
ホームへの乗り降りはホーム端部にある鉄板で出来た階段を利用する。
ここが東山!と言わんばかりの標識。
やがて下りスーパー北斗がやってきた。
あっという間に通過していく。
この駅の存在に気づいた乗客は如何ほどだっただろう?
振り子気動車はカーブに合わせて体を傾けていく。
最後に踏切から東山駅を眺め、駒ヶ岳駅へと足を向けた。