2018年4月14日土曜日

赤岩駅

奥羽本線赤岩駅は周囲に民家が一切ない超一級の秘境駅として知られる。2018年現在、駅の営業は休止状態であり、普通列車を含め全列車が通過している。私が訪問したときは、駅への乗り降りが可能だったが、この時で冬期は全列車通過となっていた。廃止ではなく休止措置ということは何らかの理由があるはずで、いつかこの駅が営業再開することを期待したい。

2021年3月13日を以て廃止されました。  



赤岩駅は福島県福島市の県境近くに位置する。
山の中にあり、駅の周りに民家は一切ない。

福島駅から米沢行き普通列車で赤岩駅へ向かう。

米沢行きの719系の車内はガラガラであった。

庭坂駅を出ると坂を登りつつ、
大きく右にカーブをとる。

赤岩へ向かって進行方向右手に見られる
福島盆地の車窓は実に見応えがある。

赤い鉄橋を渡ると、赤岩駅の標識が見えてきた。

赤岩駅へ到着。
下車したのは私1人で、乗車する人はいなかった。

つかの間の休息を経て、列車はまた急勾配へと
挑んでいった。


米沢方の谷側には、
スイッチバックの引上げ線の跡が見られる。


峠へ向かうトンネルの手前には、
38‰の勾配標があった。
凄まじい上り勾配である。



ホームの端から福島方をズームで撮影すると
如何に急な勾配なのかがわかる。


こちらはホームの全景。
駅の周辺にあるのは木立だけ。


赤岩駅の待合室。
スイッチバックが廃止され、
現在のものは山形新幹線が開通した
1992年に設置されたと推測するが、
それにしては新しく見える。


待合室にはプラベンチが4つ並んでいた。
箒やちりとりなどもあり、
清潔な状態が保たれていた。


中にはもちろん、駅ノートがある。
驚いたのは冬期休止期間にも
この駅への訪問者がいたことで、
中には庭坂駅からはるばる歩いて到達したという
書き込みもあった。


遭遇してしまったら待合室で籠城すべきか、
逃げるべきか。


駅の周りには鉄道防雪林がある。
昭和15年12月新設とあり、
奥羽本線の歴史の長さを物語っている。


スイッチバック駅だったころの旧ホームを探検しにいく。
ご覧のとおり対向式ホームがそのまま残っていて、
実に興味深い。


旧ホームで福島方面の文字を見つけることができる。
昔はここを旧型客車や50系客車が発着していたのだろう。
物心がついたとき、EF71やED78に牽引された
50系客車列車が奥羽本線を走っていた。
その当時に来られなかったことが悔やまれる。


錆びついてしまった駅名板。


崩れてしまった屋根付きの構造物には
たのしい旅の案内という黒板が僅かに見える。


谷側のホームからは本線が見られる。
ここから見る本線は、線路幅が変わったこと以外
あまり変わっていないのかもしれない。


旧ホームは古レールを活用したはりによって
支えられていた。


幹線なだけに駅の有効長は大きくとられ、
スイッチバックホームの奥はトンネルで
有効長が確保されている。
下に見える本線との高低差を見ると
如何に勾配が大きいか実感できる。


トンネルの中はレールと道床が
そのまま残されていた。


このトンネルは「赤岩避難線ずい道」という名称である。
トンネルの竣工が昭和42年に対し、
福島-米沢が開通したのは明治32年であるから、
トンネルは、路線機能を強化するために作られたようだ。
翌43年に交流電化と庭坂-赤岩の複線化がされた。


駅周辺には猿がたくさんいた。
集団で本線上に出たりと中々活発だ。


列車が近づいてくると、見ているこっちが
ハラハラしてしまうのだが、
猿の皆さんはササッと線路脇へと待避する。
線路を歩く心得があるせいか余裕の行動である。


本線の谷側には古めかしい建物がある。
線路の向こう側へ行くことが出来ず、
近づいての確認はできなかった。


下を通過していったのは旧塗色のE3系。
この時ですでに新塗色への塗り替えが進んでいたので、
見られてラッキーな気分であった。


避難線トンネルの付近から
赤岩駅の方を振り返る。
赤岩駅の環境が如何に山間であるかが改めてわかる。


この道路をたどっていくと、
大沢集落に出るようだ。
この時は時間の都合でここまで。


駅へ戻ると日が暮れようとしていた。
光を欲した旧駅構内に灯りが点された。


駅の待合室でも照明が点灯する。


駅周辺の照明は利用者が手動で点灯できる。
しばらく時間が経つと、自動的に消灯する。


普通列車を待つ間につばさが通過した。
E3系と国鉄時代からの駅名板。
珍しい取り合わせである。


峠方のトンネルが明るくなり、
目的の普通列車が近づいてきた。


この列車で赤岩駅を後にした。
秘境駅であり、スイッチバックの遺構が残り、
実に面白い駅であった。
休止を解いて、臨時のつばさ号を停車させて
「新幹線で訪れる秘境駅」なんてやってくれたら
面白いのになあと勝手に想像してみる。

いつかの営業再開を願って、訪問報告を終わりとする。

鉄旅写真報告的訪れたいローカル駅ランキング
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おまけ

福島駅で見かけた一般路線バス。
落ち着いたデザインで貴重そうだった。


2018年4月7日土曜日

東根室駅


東根室駅は、日本最東端駅として有名である。鉄旅好きとしては、何としても訪問してみたい駅だ。根室駅のお隣にあり、さほど離れていないこともあり、根室まで行った後に自力での訪問といったことも可能である。このときは、根室に宿をとり、夜も明けぬ早朝に20分ほど歩いて東根室駅までやってきた。


根室本線の最後、ぐいっと進路を西に変えた先に
終着駅の根室駅がある。
そのため最東端は手前の東根室駅となる。

根室本線は東根室駅の前後を築堤で通過する。
そのため線路の東西は短いトンネルで結ばれている。


トンネルをくぐり、ホームへとアプローチする。


この日は快晴であったせいか、
月が非常に綺麗に見えていた。


東根室駅の入り口へ到着した。
駅に待合室はない。
雪化粧した駅が、月と水銀灯に照らされて
静かに佇んでいた。

駅前には日本最東端の碑がたっている。

もちろん、ホーム上にも日本最東端の駅を示す標板がある。
駅名標のにしわだはシール付けされたもので、
その下には廃止された「はなさき」の文字があるはずだ。


駅は築堤の上にあるため、
高台から街を見下ろしたような風景が得られる。
駅の周囲は市街地である。


ホームは私の大好きな板張り。
言うまでもなく日本最東端の板張りホームである。
最北端の板張りホーム駅は南幌延駅であるとして、
最西端や最南端はどこなのだろう?

やがて根室方から一番列車がやってきた。
キハ54の前照灯が線路を照らす。

そろりそろりと駅へと入線してくる。

この列車に乗車して東根室駅を後にした。
乗車したのは私と同行してもらったJ氏のみであった。
次の目的地は別当賀駅である。



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