2015年8月30日日曜日

寝台特急「サンライズ出雲」シングルデラックス乗車記

次々と夜行列車が姿を消す最近ですが、琴平への延長運転や、繁忙期の臨時列車の運転など、明るい話題を振りまいているのが、東海道夜行のサンライズ瀬戸・サンライズ出雲です。私が乗車したのは、金曜日でない普通の平日でしたが、それでもサンライズ出雲は満席、サンライズ瀬戸は残り10席とのことで、頼もしい乗車率でした。

車掌さん曰く、この日のサンライズ出雲の乗客ほとんどが、米子、松江、出雲市までの利用とのことで、この列車の意義が十分に発揮されていることを感じました。

サンライズ出雲のシングルデラックスに東京から出雲市まで乗車したときの記録をお伝えします。

旅の始まりは東海道本線の始発となる東京駅。
サンライズ出雲は瀬戸と合わせて14両の堂々たる編成で東海道を下ります。

サンライズ出雲・瀬戸号が入線しました。
これから旅行をする人達が次々と車内へ吸い込まれていきます。

ずらっと並ぶ14両編成。夜行列車には長大編成が似合います。

東京駅の9番線には「岡山・出雲市・高松方面」という表示がありました。
長距離列車の発車ホームらしい、東京駅の風景です。

それでは、今宵の宿11号車へと乗車します。
サロハネ285-3という形式です。

個室は11号車25番。通路から少々上がり、個室に入ります。

シングルデラックスの車内です。木のぬくもりと清潔感のある空間です。
最大の特徴は洗面台とテーブルの存在で、限られた列車空間が贅沢に使われています。
また100Vのコンセントがあることも有難いことです。
ベット脇には室内ユーティリティのコントロールパネルがあります。
机にはコップが安定するようにコップホルダーが備え付けられています。


それでは東京駅を出発します。
東京の夜景と出発後の案内放送です。
窓についた水滴にカメラのピントが取られ、少々見づらい部分があります。

都会を出発する夜行列車は、これから旅に出るのだという気持ちが高ぶるせいか、
始発駅を出る下り夜行には得も言えぬ魅力がありまます。

 
最初の停車駅、横浜駅へ到着。
22時半になろうという時間ですが、帰宅する通勤客の方で駅は混雑しています。
さらに大船駅で通勤列車を追い越して、西へ西へと向かいます。

JR東日本とJR東海の境界駅、熱海に到着しました。
ここで乗務員の交代が行われているはずです。

列車は146キロポストのある富士駅へ到着しました。
側線に貨物列車が停車しているあたりが、貨物取扱駅である富士らしいところです。
紙を満載しているのでしょうか。

 
そのころ、隣の10号車にあるミニラウンジでは
何人かの乗客が談笑していました。
夜行列車のひとときを楽しめる空間の一つです。
ラウンジそばには自販機があり、夜行列車には特に有難い存在です。
一段全部コーヒーという光景は壮観です。

0時を過ぎ、静岡駅へ到着しました。
だんだんと眠くなってきましたので、静岡を発車後に就寝しました。

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ここでシングルデラックスの個室や車内の設備などを報告。
 
シングルデラックスは2F窓際(太平洋側)のベッドと、通路側の机と洗面台から成ります。
ベッド幅は広々の850mmと贅沢なつくりです。


 
シングルDX個室内の洗面所はお湯と水が選択できるように配慮されています。
その他にアメニティ袋、スリッパ、コップが備え付けられています。

こちらはA個室専用アメニティ袋の中身です。
A個室ならではのものが入っており、嬉しい限りです。
左下のカードはA個室用のシャワーカードで、11号車のシャワー室を使用できます。

 
A個室利用者専用のシャワー室があるので、
個室内にシャワーがなくとも不便さを感じません。
脱衣かごが壁に程よい高さに設置されています。

 
シャワー室です。
シャワーカードを差し込むと、デジタルパネルが6:00の表示になり、
給湯を合計6分間使うことができます。
6分というと短く感じますが、実際にお湯を出している時間からすると十分な時間設定です。
さらにドライヤーまで。さながら列車ビジネスホテルですね。
シャワー室の利用を終えると、洗浄ボタンを押しておしまいです。

サンライズ瀬戸、出雲はそれぞれが7両編成で構成されていて、岡山までは併結して走ります。
A個室のある11号車4号車は7両編成の真ん中に位置します。
3号車、10号車にはミニラウンジがあります。

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明朝目を覚ましたのは、岡山手前を高速で走行していたときでした。
岡山到着前の放送と車窓です。
ぐっすりと眠ることが出来ました。

列車は定刻通りに岡山駅へ到着しました。
ここでサンライズ瀬戸とサンライズ出雲とを分割するため、数分間停車します。
朝食を買いに行く人、分割風景を見に行く人、多くの人がホームへ降ります。

 
ここまで共に走ってきたサンライズ瀬戸が先に発車していきます。

分割されて発車を待つサンライズ出雲。
分割風景は一大イベントとして、多くの人が集まります。

サンライズ瀬戸を見送ると、対向ホームには津山行きのキハ40系が停車していました。

岡山駅を発車し、倉敷を出ると伯備線に入ります。
高梁川が寄り添い、朝の川面を車窓に見ながらの旅となります。

ここで私も朝食。
ミニラウンジで食事をしました。
弁当は前夜東京駅の「駅弁屋 祭」で買った牛肉どまん中です。

伯備線の中間駅、新見駅へと到着しました。
何だかSLが似合いそうな情緒ある駅の雰囲気です。

備中神代駅では、EF64-1000原色の牽く貨物列車と交換しました。

こちらは貨物列車の最後尾。(備中神代駅)
勝手な戯言ですが、備中神代駅でサンライズ出雲と貨物列車が交換するのなら、
お隣の布原で交換したほうが素晴らしい絵になることでしょう。
いつか、そのようなダイヤになってくれたら嬉しく思います。

 
因みにこれが上り列車から見た布原駅の風景です。
昔はD51の3重連貨物で有名な撮影地でした。

サンライズは伯備線の勾配を上り、中国山地の分水嶺を谷田峠トンネルで抜けます。

日本海側へ下った上石見駅ではやくも号と交換しました。

生山駅手前では、名勝「石霞渓」を列車左手に見ることが出来ます。

中国山地を抜けると大山が見えてきます。
車掌氏が伯耆大山の案内放送をすると、
皆一斉に個室を出て列車右側にカメラを向けます。
この日は良く晴れ、美しいその山容を見ることが出来ました。

ほどなくして伯耆大山駅へ到着。

伯耆大山駅は貨物取扱があるため、このようなスイッチャーがいます。

鳥取県第二の都市、米子駅へ到着。
多くのお客さんが降りて行きました。

松江駅を出ると、列車右手に宍道湖が見えてきます。

宍道湖のほとりを走るサンライズ出雲の車窓です。
車掌さんより宍道湖の紹介放送がされています。

そして終点の出雲市駅到着。
最後の車内放送では、出雲大社への乗り換えについて案内されていました。
出雲大社を目指す利用客が多いのでしょう。

東京駅を出てから11時間58分、終着の出雲市へ到着しました。
良く眠れ、良い車窓を眺めて大満足の鉄旅でした。
サンライズ出雲、サンライズ瀬戸号がこれからも活躍してくれることを期待します。

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おまけ
シャワーセットの写真です。
乗車当日は早々に売り切れてしまったとのことで、
翌朝米子駅から乗車してきた車掌さんから購入しました。
サンライズ号の絵柄が入ったタオルが実に良いですね。


2015年3月9日月曜日

北陸本線475系の雄姿(A19編成・A22編成)

最後の急行型電車、475系の雄姿をここに残したいと思います。
中でも特色のある国鉄急行色を纏うA19編成と、AU12S冷房装置を装備するA22編成に注目します。

以前ご紹介した、457系急行色(A13編成)についてはこちらから。

まずはA19編成。

金沢駅で発車を待つクモハ475-46。
デカライトが輝いています。

クモハの貫通路より併結相手のクハを見ます。
デッキの化粧板は優等列車の証、ピンク色です。

一際目につくのは大きな回転式マスコンハンドルです。

時速105キロで疾走するクモハ475-46のモーター音をお聞きください。

ゆったりとしたボックスシート。
朝日を受けます。

AU13E型冷房装置が並ぶクモハ475-46の車内。

 
こちらは、モハ474-46の車内。
冷房装置がクモハとは異なることがわかります。

普通列車運用も考慮した大きな乗降扉。

クハ455-60は洗面所とトイレが現役です。
洗面所のメインシンクの左側にはタンツボがあります。

クハの運転台デッキには社内との仕切り窓があり、開放感があります。
165系のクハも同じ構造だったかと思います。
急行型電車の共通設計でしょうか。

水橋駅で発車を待つ、475系A19編成。
定刻通りの運転でした。

定刻通り水橋駅を発車。
車掌氏が非常ブレーキコックを手に安全を確認します。

黒部駅の2番線に入ったA19編成。
ここで折り返してまた金沢へと帰っていきます。

こちらは越中宮崎駅に到着するA19編成。

国鉄交直流急行色の先には天嶮親不知が聳えます。

ボックスシートに身をゆだねて、
旅人達が思い思いの時を過ごします。

糸魚川駅へ到着したA19編成。
ここでしばらく休み、さらに直江津を目指します。

昭和42年(1967年)以来、松任工場でメンテや改造を受けながら
今日まで走ってきました。

モハ474-46の側面にはLEDの行先表示器があります。

整然と並ぶ2段窓をローズピンクとクリーム色が彩ります。
※J氏提供の写真

休みなれた糸魚川駅の2番線に佇むA19編成。
こちらは金沢方のクハ455-60です。

こちらは直江津方のクモハ475-46。(糸魚川駅)

赤い「はくたか」に道を譲ります。
この組み合わせも北陸新幹線の開業とともに
見られなくなるのでしょうか。

国鉄型優等列車用電車の台車といえばこれ、DT32。
重厚な揺れが特徴です。

糸魚川と梶屋敷の間にある交直流切り替え区間では、補助灯が輝きます。
デッキではいまだも白熱灯が輝きます。
※J氏提供の写真

筒石駅へ到着した475系。

終着の直江津駅へ到着した475系A19編成。
北越との並びはもう見られなくなってしまいます。
※J氏提供の写真

多様な車種が見られる直江津駅。
国鉄型がそろいました。

レールで構成された柱はりと急行型電車。
とても似合う光景です。
※J氏提供の写真

直江津駅の跨線橋から475系を見ます。
クモハの通風機は元々2個ありましたが、
1個撤去されて片側のみが残っています。
※J氏提供の写真

トワイライトエクスプレスの乗車位置札は新幹線開業とともに
取られてしまうことでしょう。貴重な光景です。
直江津駅は駅弁屋さんがホームでの販売をしており、活気があります。
ここの「鱈めし」はオススメです。

最後にクハ455-60が点灯した雄姿をご覧ください。
※J氏提供の写真

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ここからはA22編成の写真です。
A22編成のクモハとクハは貴重なAU12Sクーラーを装備しているのが特徴です。
AU12を装備した車両で現役なのは、
475系A22編成とトワイライトエクスプレスのスシ24(1,2)だけかと思います。
スシ24のほうはキノコクーラーの愛称で有名ですが、
カバーの形状が異なるだけで、冷房機器の主要構成は475系のAU12Sと同じです。

A22編成の金沢方、クハ455-63です。

モハ474-49を外から眺めます。
外が暗いと車内の化粧板のピンク色が際立ちます。

こちらはクモハ475-49の車内。
化粧板のピンク色は窓の下端まで統一されています。

天嶮親不知を走るA22編成。

A22編成の最大の特徴はコレ。
AU12Sクーラーです。

室内のAU12S吹き出し口です。
室内側の形状もAU13と異なります。
1両に6基あります。

AU12Sは車内すべての冷房を一括でコントロールすることが出来ません。
このように個々の冷房に対するスイッチをオンオフし、室温をコントロールします。

JNRマーク入りの室温計。
車掌さんは夏の時期、この温度計を見ながら車内を回り、
冷房のコントロールをしたことでしょう。

AU12Sが並ぶクモハ475-49の屋根上。

夜明けの泊駅で一休み。
※J氏提供の写真

小休止して、泊駅を後にする475系A22編成(後側3両)。
前側の分散冷房車両と比較すると、
冷房形状が異なることが見て取れます。


北陸新幹線の開通とともに、定期運用を終える予定の475系。
最後まで安全にその輸送使命を全うしてくれることを願います。
欲をいえばイベント用としてでも、今後も活躍してくれると良いのですけどね。

鉄旅の先輩であるJ氏より、一部貴重な写真のご提供を頂きました。
ありがとうございました。

※J氏よりご提供頂いた写真は転載をお断りします。




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