1989年に運行を開始した大阪と札幌を結ぶ「トワイライトエクスプレス」号が、2014年度末をもって運行終了すると発表されました。以前、一度乗車する機会を得ましたが、それがあまりにも素晴らしい鉄旅であっただけに、もう一度乗りたいという気持ちを強く抱き続けてきました。
運行終了発表後、以前にも増して寝台券の確保が出来なくなりましたが、ふらりとみどりの窓口へ寄って聞いてみると、何と2日後のBコンパートに「2」の数字がありました。しかもうれしいことに同じ寝台番号の上下段だったので、カミサンに一緒に行けるか確認をして、すぐさま購入いたしました。
乗車したのは上り列車です。
運行終了発表後、以前にも増して寝台券の確保が出来なくなりましたが、ふらりとみどりの窓口へ寄って聞いてみると、何と2日後のBコンパートに「2」の数字がありました。しかもうれしいことに同じ寝台番号の上下段だったので、カミサンに一緒に行けるか確認をして、すぐさま購入いたしました。
乗車したのは上り列車です。
札幌駅でトワイライトエクスプレスの入線を待ちます。
寝台列車に乗る前の高揚感に包まれます。
列車案内表示にトワイライトエクスプレスの表示が現れました。
行先の「大阪」が赤文字となっていて、
他の列車とは行先が違うことを明瞭に示しています。
0:39 汽笛
DD51に牽引された合計12両の列車がやってきました。
DD51に牽引された合計12両の列車がやってきました。
4番線にトワイライトエクスプレスが入線しました。
寝台列車が注目の的となるのは今も昔も変わりません。
北海道に居りながら、行先が大阪という列車に乗れることが
何ともうれしいです。
乗車した8号車を真横から撮影してみました。
寝台列車にしか醸し出せない風格があります。
0:33 列車無線によるやりとり
0:59 札幌駅発車
2:30 いい日旅立ち
5:23 豊平川へかかる右カーブ
10:25 ハイケンスのセレナーデ
南千歳を出ると、ティータイムの案内放送がありました。
早速食堂車へ行きます。
食堂車から見る北海道の美しい風景は格別です。
オーダーした飲み物は、紅茶です。
カミサンは奥に見えるハーブティーです。
さらに、クラフティをオーダーしました。
左上にあるクラフティはほんのり暖かく、上品な甘みでした。
またその隣にある洋ナシのシャーベットも、これまた絶妙な甘さで
非常に美味しかったです。
列車は東室蘭を出ると、内浦湾沿いを走ります。
まさにトワイライトの景色です。
北舟岡駅で貨物列車と交換し、
内浦湾沿いを進みます。
洞爺駅に到着しました。
ここで後続の特急「北斗」を先に行かせるため、
10分ほど停車します。
DD51のアイドリング音です。
キハ183からなる北斗がやってきました。
食堂車では一回目のディナーの準備が進んでいました。
ディナー時の食堂車は最も華やかさがあります。
洞爺駅を発車するときの、
車掌氏と運転士の列車無線交信です。
0:29 「上り8002列車の運転士さんこちら車掌です、どうぞ」
0:32 「8002列車運転士です、どうぞ」
0:36 「上り8002列車洞爺発車」
0:40 「8002列車洞爺発車」
0:43 汽笛
0:29 「上り8002列車の運転士さんこちら車掌です、どうぞ」
0:32 「8002列車運転士です、どうぞ」
0:36 「上り8002列車洞爺発車」
0:40 「8002列車洞爺発車」
0:43 汽笛
私はというと、札幌駅で買った石狩鮭めしを夕飯に食べます。
伝統ある駅弁ですが、何度食べてもおいしいです。
ロングセラーであることがうなづけます。
この辺でBコンパートの設備をご紹介します。
4人用寝台とも言いましょうか。
2段寝台が向かい合った設備です。
上段へ上がるには、窓際にある梯子を引き出して利用します。
右の写真が梯子の左半分を引き出した状態。
上段からの眺めです。下段よりも広さを感じます
以前、あさかぜ(下関行き)の上段寝台を利用したことが
ありましたが、そのときよりも開放感というか、広さを感じました。
鉄旅の先輩であるJ氏によれば、あさかぜの使用客車は
25型100番台で、窓が天地方向に狭く、
上段からの視界が良くなかったからではないかとのことです。
言われてみれば、確かにそんな気がします。
この梯子を使って上段に上がるのが案外楽しく、
子供の頃に味わった楽しさに似たものを感じました。
窓際のテーブルを下から見ると、栓抜きがありました(左)
また、向側の下段寝台の下には、「オハネ25 28」と書かれた、(右)
踏み台がありました。梯子を上り下りするための踏み台でしょうか。
この車両はオハネ25 563という車番ですが、もともとはオハネ25 80だった
ものを改造して現在の番号になった模様です。
この踏み台は、元々オハネ25 28の備品だったのでしょうか。
Bコンパートの通路は、木目調の化粧板が施されていて、(左)
昔ながらの開放式B寝台とは異なった印象を受けます。
デッキには水量計がありました。(右)
洗面所はとても清潔感が漂っています。
洗面所の向側には、
和式と洋式のトイレが一つずつあります。
車両が変わって、こちらは4号車サロンカーの自動販売機です。
左側の自動販売機にはお菓子に加えて、
シャワーセットも売られていました。
シャワーは2室あります。(左)
食堂車でシャワー利用券を買って予約し、使用します。
シャワー室を開けると脱衣場があり、(右)
シャワー券をカード挿入機に差し込んで利用します。
食事後ゆっくりとくつろいでいると、五稜郭駅へ到着しました。
DF200が貨物列車の入れ替え作業をしていました。
ここで向きが変わります。
定刻通り青森駅へ到着しました。
発車から7時間が経過していますが、あっという間に
北海道区間が終わってしまい、なんだか寂しい気がします。
時刻は21時を過ぎ、食堂車はパブタイムが始まりました。
パブタイムはとてもに賑わっており、活気がありました。
ステーキピラフとセットドリンクで、
グレープフルーツジュースをオーダーします。
ステーキピラフは、ご覧のとおり
ピラフの上に牛ステーキが載っています。
テーブルへ運ばれると何とも言えない良い香りが漂います。
和牛ステーキの焼き加減は、ミディアムでしょうか。
絶妙な焼き加減と味付けで、素晴らしく美味でした。
私の語彙不足でうまく表現できないのですが、
ピラフとステーキのマッチが素晴らしく、
しかも不思議と脂っこさが残らない料理でした。
ステーキピラフを食していると、弘前駅へ運転停車しました。
胃袋を十二分に満足させたあと、ベッドへ戻り就寝しました。
翌朝、長岡駅で12分の停車時間に列車を撮影しました。
EF81がブロワーを力強い轟かせながら、発車を待ちます。
この日の牽引機は103号機でした。
EF81のブロワー音です。
まだ夜明け前の、サロンカー。
皆さん思い思いの時を過ごされていました。
直江津駅へ到着しました。
奥には485系1500番台が停車していました。
列車は順調に南下し、親不知を通過します。
富山駅へ到着しました。
お隣には貴重な475系の姿がありました。
予約していた3回目の朝食回が始まり、食堂車に入ります。
メニューはトワイライトエクスプレスの公式サイトより以下のとおりです。
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Diner Pleiades Breakfast
¥1,620
● Cocktail ~食前のドリンク~
・オリジナルビネガーエード
(スパイスウォーター・シロップ・オレンジジュース・白ワインビネガー)
カットオレンジ、カットレモン、ミント、スライス生姜、フランボワーズ
● Starters ~先付け3種~
・豆のごま和えサラダ
・カポナータ(茄子・胡瓜・パプリカのマリネ イタリア風甘酢トマトソース)
・海老とアボカドのカクテル
・フォカッチャ
● Egg with Flower salt
~『丹波のたまご』の半熟3分ボイルと花の塩~
● Mini-bowl/rice-gruel ~生姜とタイムのミニお粥~
・白粥(シンプルな中華にタイム、ローリエ、丁字、生姜)
・薬味として(卸し生姜、タイム、クリスピーベーコン)
● Main course
~ミート&サラダ&ホットベジタブル~
・白いんげんとベーコンのトマト煮
・ミニ椎茸とマッシュルームローズマリーのオーブン焼き
・自家製チキンナゲットとフレンチマスタード&ケチャップ
・ハートロメインとバルサミコのドレッシング&グラナパルメザンパウダー
・アンディーブと角切りポテトサラダ
・茹でたて緑黄色(青梗菜、カボチャ、有機人参)
・薄切りハムと種入りマスタードとパン・ド・カンパーニュ
● Fruits in coup grass
~フルーツ&フロマージュブラン~
・ハネジューメロンとパイナップル
・フランス ノルマンディー産フロマージュブランのスープを少し
● Coffee ~オリジナルモーニングブレンド~
サントス40%(フルシティ)、モカ30%(シティ)、グァマテラ30%(シティ)の
配合でブレンドしたモーニングコーヒーです。また紅茶のご用意もございます。
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トワイライトエクスプレスの朝食を堪能しました。
朝の食堂車もとても雰囲気が良いです。
列車は順調に走り、前回抑止となってしまった加賀温泉駅を
何事もなく通過していきました。
途中の貨物駅では、青色のEF510を見ることができました。
個人的な想いとして、
この機関車にはずっとブルートレインを牽いていて欲しかったです。
武生駅通過。
目の前には、福井鉄道の200形がおりました。
敦賀駅へ到着。
ここで上り列車ならではの一大イベント、機関車交換が始まります。
正確には、乗客が見ることのできる機関車交換と言ったほうが
よろしいでしょうか。
青森から遥々牽引してきた103号機が切り離され、
ねぐらへ帰っていきます。
次の機関車が連結される間に、展望スイートの窓掃除があり、
そして敦賀から大阪までをエスコートするEF81 43号機がやってきました。
そろりそろりと近づいて、カチャンと軽い音を立てて
連結されました。
老若男女関係なく、この瞬間をカメラに収めようと
皆が集まります。
さて、敦賀駅で気になったことが一つ。
換算両数が食堂車では「積4.0」、「空3.5」となっており、
サロンカーでは「積3.5」、「空3.5」となっていました。
換算両数は、1.0が10トンを表しているので、
食堂車は5トンの重さ増減があることになります。
大量に使うであろう水の量が影響しているのかとも思いましたが、
サロンカーには2つのシャワーがあり、
こちらも大量の水タンクがあるはずです。
この差は一体何なんでしょう?
敦賀を出ると鳩原(はつはら)ループ線に入ります。
これまた機関車交換と同様に上り列車でしか味わえません。
上り線が一度下り線をまたぎます。
ループ線を時計回りに上っていくと、
列車進行方向左手には敦賀の街が見下ろせます。
遠くには敦賀湾が、手前には小浜線が見えます。
近江塩津を通過し、湖西線に入ると琵琶湖が見えてきました。
琵琶湖は美しく、満々と水と湛えていました。
列車は京都へ到着し、旅も終わりに近づいます。
ウグイス色の103系で訓練が行われていました。
京都~大阪間では同僚が札幌へ向かっていくのが見えました。
京都総合車両所を通過します。
懐かしい色の車両たちが見送ってくれます。
新大阪を出ると最後の案内放送があり、
いい日旅立ちが流れ、旅の最後を締めくくります。
12:53、列車は定刻通りに大阪へ到着しました。
実に楽しく思い出に残る、旅を送ることができました。
1,508kmの旅を終えたトワイライトエクスプレスが
宮原へ帰っていきます。
今回は個室ではなく、Bコンパートでの旅でしたが、
BコンにはBコンの良さがあり、
トワイライトエクスプレスの醍醐味を存分に楽しむことができました。
適わぬこととはわかっていても、この素晴らしい列車が
何らかの形でも運行継続をしてくれたらと願わずにはいられません。